忙しい日々を過ごしていると、ついつい睡眠時間や、自由な時間がなくなってしまいます。
「1日24時間とはいわず、25時間あったら・・・いや、26時間は欲しい!」なんて考えた経験はないでしょうか。
確かに、1日が25時間あると、時間が増えた気がして嬉しいですよね。
どうして、1日は24時間しかないのでしょうか? その歴史を見てみましょう。
1日は何故24時間なのか?
いくつかの説がありますが、古代エジプト人が、最初に1日をいくつかの間隔に区切り始めたのが、起源と言われています。
文書に、古代エジプト人が1日をはかるために、日時計を使い始めたと、のこっています。
古代エジプト人が考案した日時計
その日時計とは、地面に棒をさして、棒の影の方向・長さで時間を計算するというものです。
その後、日時計は改良が重ねられ、T字の棒を地面にさして、その影の方向を、12にわける方法が編み出されました。
では、どうして12に分けようと思ったのか?
それは、エジプトでよく使われていた、十二進法からきたのではないかと考えられています。
つまり、12を基準に数えていた、というわけなのです。
ちなみに、当時の分割された時間は、長くなったり短くなったりと、季節によって変化するものでした。
夏と冬では、日中の長さは変わります。
そのため、当時はその変化も含めて、1時間、2時間と捉えていたようです。
また、これは棒の影を基準に、1日を考えていたので、影の出来ない夜の時間は、計測できないものとされていました。
日中だけのものだった時計が、夜のものになった
しかし、日が暮れたら時計がない、というのも中々不便ですよね。
そのため、夜もなんとかして時計を用いて、時間をはかれないかという取り組みがされました。
そのような取り組みによって出てきたのが、星の動きを観察する方法、水を利用する方法などです。
正確に昼も夜も時間が計測できるようになり、ここから1日を24に分割できるようになりました。
しかし、世間に正確な時計が普及するのは、14世紀ごろと、かなり後だったようです。
その理由ともなったのが、機械時計の出現です。それまでは、ずっと、季節によって違う1時間を過ごしていました。
1分は何故60秒なのか?
次は1分が60秒の理由について、ご説明します。
これも先ほどと同様、進法を利用したことが理由です。
1時間には十二進法でしたが、1分には六十進法が使われ、1分が60に分割されました。
六十進法は何から生まれたのかはわかりませんが、この60というのが、とても便利な数字なのです。
60はいくつもの公約数を持つ、つまりは、1、2、3、4、5、6、10など、多くの数で割り切れるのです。
うるう秒
皆さんもうるう年というのは、ご存知だと思います。それでは、うるう秒についてはご存知でしょうか?
時計と、地球の自転に基づいた時間には、微妙なずれがあります。
そのずれをなるべく解消するため、数年に1度、1秒を追加するのです。
23時59分60秒と、本来存在しないはずの1秒を追加して、調整をしています。
ちなみに、このうるう秒を廃止しようとする運動もあります。
うるう秒で調整する際には、手動で行うことになりますので、ミスなども起きやすくなります。
廃止しようとする声、継続しようとする声の、両方があるため、今後はうるう秒の存続が検討されることでしょう。
今では当たり前に使う時間の単位ですが、昔の人が試行錯誤して、生まれたものなのです。1日が25時間になることはなさそうですが、古代の知恵がたくさん詰まった、時間を大切に過ごしたいですね。
参考 : scientificamerican, など
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