地球が形成された45億年前には、地球の表面に隕石が降り注ぎ、火山から音を立てて溶岩が流れ出すような場所だったといいます。
43億年前には地球の一部を水が覆っていたこともわかっています。
2016年、カナダの鉱山で、約20億年前の水が発見されました。
これまで発見された水の中で最古のものであり、この水を研究することによって、地球やほかの星での生命の出現について新しい発見があるかもしれないといわれています。
今回のらららミステリーは、現段階でわかっている地球最古の生物や地球の生命の歴史を紐解いていきましょう。
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世界最古の水の中に生命体が?
世界最古の水を発見したのは、トロント大学の研究チームです。
オンタリオ州ティミンズにあるキッドクリーク鉱山の地下 2.4キロで発見されました。
その3年前にも彼らは 同じ鉱山で15億年前の水を発見しています。
それよりもさらに深く掘り下げることで、地球の誕生から25億年しか経っていなかったころの水たまりを発見したのです。
地下で発見されたと聞くと、この水は岩の中に閉じ込められていたごく僅かな量だという印象を受けるかもしれません。
しかし、研究チームの地球科学者によると、この水は上へと湧き上がっており、毎秒何リットルも流れていたのだといいます。
発見された水は岩盤に閉じ込められていたわけではなく、惜しみなく流れ出ていたものの一部だというのです。
この水に含まれていた硫酸塩を分析した結果、硫酸塩は地表の水によって地下に流れ込んできたわけではなく、水と岩石との化学変化によって発生したものだということがわかりました。
また、水の中からは微量のヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノンが検出されています。
これらのガスは時間をかけて水中にたまるもので、それらをもとに科学者たちは水の年齢を割り出しました。
さらに、微量の金属と、海水の約8倍もの塩も含まれていました。
この水中に かつて生息していた単細胞生物が遺していた科学的な痕跡と見ることもできます。
つまり、この水があった場所は、地表とは切り離されていたにもかかわらず、微生物が生きていけるだけの地球科学的条件が整っていたかもしれないという可能性があるのです。
そこに独立した地下の生態系が存在し、それが数十億年も維持されていたとしてもおかしくありません。
研究者いわく、もしも地質学的プロセスによってこうした岩石に安定したエネルギー源が供給されることがあるのだとすれば、
地球の地下生物圏はさらに広く、かつ深いものである可能性があるということです。
また、それは地球以外の惑星にも言えることだともいわれており、同じような現象が他の惑星にも当てはまる可能性があるのです。
地球の地下や宇宙において、生命の生存可能な範囲が広がる可能性があります。
太古の生物と地球環境
地球最古の生物に関しては諸説ありますが、西オーストラリアのシャーク湾のもっとも奥に位置しているハメリンプールの入り江には、地球最古といわれている生物が存在しています。
ストロマトライトと呼ばれるその生物は、単細胞生物が積み重なってできた集合体で、見た目は岩のようになっています。
23億年前に誕生したといわれており、大きさは平均50センチ~60センチほどで、今でも年間0.4ミリずつ成長しているといわれています。
ストロマトライトは、体内に持つ葉緑素で光合成をして酸素を作り出しています。
地球には当初 酸素が存在しなかったといわれており、ストロマが酸素を作り出したことから地球の生命の歴史が始まったとされています。
また、ジルコンという非常に頑丈な鉱物があります。
ジルコンの結晶は破壊することは不可能とされており、古いもので44億年近くも前から存在していたといわれています。
このジルコンが、太古の環境を知る手がかりになるとされています。
アメリカの大学の研究者が発表した論文によると、地球が形成された45億年前には、地球の表面に隕石が降り注ぎ、火山から音を立てて溶岩が流れ出すような場所だったといいます。
地球では、溶岩流が固まり新たな表面を形成しているため、古い岩盤は絶えず新しいものとなっています。
しかし、ジルコンの結晶は非常に硬く頑丈なので、過酷な環境での高温や高圧力にも耐えることができます。
そのため、結晶が形成されたときの周囲の環境に関することがわかるのです。
41億年前のジルコンから、初期の生命の痕跡だと考えられる炭素が豊富に含まれた含有物が発見されています。
43億年ほど前には地球の一部を水が覆っていたこともわかっています。
地球最古の化石
2017年、カナダのケベック州北部で、約38億年~43億年前の生物由来の化石が見つかったと発表されました。
それまで最古の生命の痕跡とされていたのは、グリーンランドで発見された37億年前の微生物の塊でしたが、それよりも古いものだということです。
この化石は、結晶の中から見つかった管状の微小な構造物であり、研究チームによると、海底の熱水噴出孔のまわりにいる現在の微生物が作り出す構造物とそっくりだといいます。
この化石の発見により、生命誕生の主な場所が熱水噴出孔のまわりの温水であるとする説が裏付けられました。
こうした場所は地球だけに限らず、他の惑星などにも存在するといわれています。
地球の生命体の起源は火星にある?
では、人類はこれらの微生物からの進化を遂げて誕生したのでしょうか?
これまで発見されてきた化石から推測すると、ヒトと類人猿との共通の祖先は1300万年前に存在し、6500万年もさかのぼると、クジラやコウモリなどとも繋がるといいます。
遺伝子の分析から、地球に存在しているあらゆる生命体の最終的な共通祖先は、およそ40億年前に海底の熱水噴出口で生きていたLUCAだとされています。
LUCAは、地球が誕生したとされるおよそ45億年前から 5億年が経過したころにはすでに存在していたといいます。
しかし、LUCAの起源については、諸説ありすぎて統一された見解はまだありません。
LUCAがどのように進化したのか、るかの祖先は一体どのようなものなのか、あるいは独自に生まれたものなのか、さまざまな説が混在しています。
アメリカのある惑星学者は、LUCAの祖先は小惑星に乗って火星からやってきた微生物だと考えています。
そう考えるべき学術的理由は、基本的にこの宇宙のどこでも有機分子が降り注いでいるためだということです。
しかし、どれがどのような化学反応をすれば変化を起こすのかは一切わかっていません。
有望なもののひとつとしては、浅い水たまりのような環境で さまざまな材料が集まってうまい具合に変化を起こす可能性が考えられます。
しかし、初期の地球は水で覆われていたとされていて、そのような変化を起こすことは不可能に近いと考えられています。
一方で、火星も水が豊富だったとされていますが、その水量は浸る程度のもので、生命の誕生には都合のいい環境だったと考えられています。
研究によると、アミノ酸が少ないほど生物は酸化に対応しやすくなっているそうです。
地球は誕生した当初、しばらく酸素がありませんでしたが、火星は地球よりも早い段階で生物が酸化する環境が十分に作られていたといえます。
もし本当にLUCAの祖先が火星に誕生していたとすれば、両惑星間を飛び交っている小惑星によって地球にやってくることは十分に考えられます。
「地球の生命の起源は地球ではなく、他の天体で発生した微生物の芽胞が地球に到達したものである」とするパンスペルミア説においては、「これまでに火星には生命はおろか有機物の痕跡すら確認されていません。
しかし火星探査機がかつて湖底であったと考えられる地点のドリル発掘に成功し、そこには生命の誕生に必要な要素がすべてそろっていたことを確認した」とされています。
それだけではかつて火星に生命が存在したという証拠にはなりませんが、現在さまざまな科学研究の成果により、その可能性が少しずつ濃厚になってきているといいます。
神話や古代文明が書き残しているものなどでは、天からやってきた神の存在が大変大事にされ、信じられていました。
かつて地球上に存在していた恐竜などのように、大昔に存在していた火星の生命体が、現在では絶滅してしまっているという可能性も考えられます。そう考えると、それだけ昔の話であれば、あらゆる惑星に生命体が存在していてもおかしくないように思えてきます。地球最古の生命体については諸説ありますが、最古の水の発見により、また新たな真実が明らかになるかもしれません。
参考 : nationalgeographic, wikipedia, など
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