1973年に日本で発売された『ノストラダムスの大予言』は、当時250万部を超えるベストセラーになりました。
特に話題となったのは、「1999年7の月 空から恐怖の大王が降ってきて人類は滅亡する」という予言でした。
この予言を読んだ人々は、文字どおり1999年7月に隕石か、何かが空から降ってきて人類が滅亡するのではないかと考えました。
26年後の1999年。日本では、再び『ノストラダムスの大予言』が話題となり、テレビでもその特集が組まれました。
1973年と違っていたことは、1993年に北朝鮮がはじめてミサイル発射実験を行い、1998年にテポドン1号を発射していたことから、「恐怖の大王」は隕石ではなく、北朝鮮による核ミサイル攻撃なのではないかと特集されたことでした。
人々は予言された7月が来るのを固唾を呑んで待ちました。しかし、1999年7月、日本でも世界でも「恐怖の大王」を確認することはできませんでした。
人々は、「予言は外れた。」「ノストラダムスの予言は当たらない。」と考え、ノストラダムスに関する出版物の人気がなくなりました。
しかし、近年、「1999年7の月」の予言は、外れていなかったとされる説が話題になっています。
今回は、その真説と2022年に起こるであろうノストラダムスの予言をご紹介します。
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『ノストラダムスの大予言』の著者は日本人
そもそも1973年に出版された『ノストラダムスの大予言』は、五島勉さんという日本人ルポライターが書いたもので、1555年に出版されたノストラダムスの『予言集』を五島氏の解釈で要約していますが、この解釈に誤りがあったとされています。
解釈以外にも『ノストラダムスの大予言』に登場する研究者や史料には、実在しないものが含まれていたり、誤訳が発見されています。
さらに、本の元となった原文の詩には、「人類が滅亡する」とは書いていなかったのです。
では、ノストラダムスの本当の予言とは、一体なんだったのでしょうか。
ノストラダムスの『予言集』
1555年にフランスで出版されたノストラダムスの『予言集』は、何百もの詩からなる詩集であり、『百詩篇集』とも呼ばれています。
すべての詩は4行で書かれ、曖昧な表現が使われています。
そのことをノストラダムス自身は『予言集』の第一序文、息子セザールへの手紙の中で、「私は予言の詩を、少々曖昧な形で仕上げた」と語っています。
が、この当時、セザールはわずか1歳の赤子でした。そのため、この手紙は息子ではなく、彼の予言の理解者に当てたといわれています。
難解な予言の詩は、これまで多くの研究者によって解読されており、様々な解釈がなされています。
彼が曖昧な書き方をしたのは、予言を書いた歴書の販売を理由に逮捕された経験があるためといわれています。
ノストラダムスは、幻覚作用のあるナツメグの香りを嗅ぎ、インクを混ぜた真っ黒の水を暗闇の中で覗き込み、そこに映った幻覚を予言として詩にしたためていました。
ノストラダムスの予言が的中したもので有名なのは、アンリ二世の死と、彼自身の死でした。
『ノストラダムスのメッセージ』
ルーマニア出身のヴライク・イオネスク博士が占星術による時期予測やアナグラムによる暗号解読などを行い、ノストラダムスの予言を解読し、1976年にフランスで出版した『プロレタリア時代に関するノストラダムス・メッセージ』という解釈本があります。
博士の解読手法はオーソドックスなものでしたが、これにより解読された予言は、「1991年のソ連崩壊」「中国・武漢での新型コロナウイルス誕生」を的中させています。
ノストラダムスが占星術とアナグラムを用いて詩を書いていたことはほぼ間違いないといわれています。
イオネスク博士による「1999年7の月」
“1999年7か月
空から恐怖の大王が来るだろう
アンゴルモアの大王を蘇らせ
マルスの前後に首尾よく支配するために”
これが有名な予言の詩です。
五島氏はこの詩を「恐怖の大王が降ってきて人類が滅亡する」と解釈しましたが、イオネスク博士によると、「1999年7か月」は現代の1999年8月にあたり、この時期に「恐怖の大王が誕生する」予言だといいます。
1999年8月11日には20世紀最後の皆既日食が観測されており、「恐怖の大王」はこの日に生まれ、のちに世界を支配する存在になるといわれています。
ノストラダムスはほかの詩でも皆既日食と王の関係性について言及した予言をしており、博士はこれらの予言を占星術を用いて解読しました。
1999年8月に生まれた恐怖の大王がその力を増幅させ、世界を支配する年は、いくつか存在します。
その中で一番近いのが2022年、今年だといいます。
今年、世界を震撼させた「恐怖の大王」は、すでにその存在を世界に見せつけています。
それは、世界各国から「ジェノサイド(大量虐殺)」だと多くの批判を受けたウクライナ侵攻を指示した、ロシアのプーチン大統領ではないでしょうか。
彼がはじめて大統領に就任したのは、2000年のことです。
しかし、初代エリツィン大統領のもとで、彼がはじめて首相に就任したのは1999年8月16日でした。そう1999年7の月なのです。
2022年以降の予言
ノストラダムスの予言の詩には、恐怖の大王の予言の続きと思われる次の詩があります。
1行目はこうです。
”赤き者たちに対抗し、諸国家が結束するだろう。”
この詩はまさに2022年のウクライナ侵攻を巡る、ロシアと西側諸国を指していると考えられます。
赤き者たちとは、共産主義者のことであることは安易に想像がつきます。
ロシアはかつて、レーニンとスターリンが作り上げた赤き共産主義国家でした。
現在もモスクワには“赤の広場”という重要な場所が存在し、大統領官邸、スターリンとレーニンの墓所があります。
プーチン大統領がソ連時代の元KGBで、祖国に命を捧げていたことは有名です。
赤き者たちに対抗し、諸国家が結束するだろうという詩は、恐怖の大王であり、赤き者であるプーチンのロシアに対抗し、ウクライナを支援する諸国家が結束すると解釈することができます。
ただ、その後の詩が不吉なのです。
“火、水、鉄、綱により、平和は徐々に弱まっていくだろう。
画策する者たちは、滅亡に追い込まれる、とりわけ世界を滅ぼすであろう一国を除いて”
これは、ロシアとウクライナ、西側諸国の戦争が平和を遠ざけ、世界が滅亡へと突き進んでいくという詩ではないでしょうか。
そして、「世界を滅ぼすであろう一国」を除いての一国とは、ロシアと同じ赤き者たちである中国を指しているのではないでしょうか。
中国は、2017年から一帯一路構想を掲げ、アジア、ヨーロッパ、アフリカでの覇権を虎視眈々と狙い続けています。
世界経済でも2位となり、1位のアメリカに迫る勢いです。中国はウクライナ情勢でもロシアを擁護していますが、それは単にロシアの味方をしている訳ではなく、あくまで世界の覇権を握るのは中国だけだと考えているから、西側諸国のウクライナ支援に反を翻しているのではないでしょうか。
こうした中国の野心がやがて世界を滅す引き金になっていく・・・そんな詩だと解釈できるのです。
ノストラダムスの予言は、読み手によって様々な解釈が存在します。まさに今、世界で起きている凄惨な事件を予言しているかのようにも読めますし、そうではない別の何かを意味しているのかもしれません。予言に書かれた未来が例え、残酷な結末であったとしても、先人からの知性に満ちた警告であると考えると、わたしたちが明るい未来に向かっていくために何ができるのか、そういった答えが見えてくるのではないでしょ
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