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物質を消滅させる!?謎に包まれた”反”物質

物質を消滅させる!?謎に包まれた反物質 未来
物質を消滅させる!?謎に包まれた”反”物質

 

みなさんは「反物質」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。あまり一般的に知名度が高い言葉ではないかもしれません。「物質」というのは私たちの目の前にある、ありとあらゆるモノのことですから、それに「反」が付くのならば「ありとあらゆるモノに反するモノ」となります。ちょっと想像しづらいですよね。 

 

今回は、そんな反物質について、「そもそもどういうものなのか」「どこにあるのか」「何に使うのか」など、基本的な部分の解説をしていこうと思います。化学や物理学に疎い方にも理解してもらえるよう、平易な説明を心がけますので、みなさんどうぞお付き合いください。 

 

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反物質とは何か 

 

まずは反物質がどういうものなのかについて、お話ししたいと思います。反物質とは、ある物質と比べて質量などの性質が同じでありながら、その物質を構成する素粒子がすべて反粒子になっている物質のこと……なのですが、新しく「反粒子」なんて言葉も出てきてしまいましたし、あまりわかりやすくはありませんよね。 

 

例として「水素」と「反水素」を用いて補足の説明をします。水素は陽子ひとつと電子ひとつから構成される原子ですが、これが反陽子ひとつと反電子ひとつから構成されている場合、その原子を反水素といいます。反陽子というのは、本来 正の電荷をもつ陽子とは逆に負の電荷をもつ粒子であり、反電子は本来 負の電荷をもつ電子とは逆に陽の電荷をもつ粒子です。

 

つまり、構成する粒子の電荷(プラス・マイナス)が逆であること以外、まったく同じ性質をもつ物質のことを、反物質と言うわけです。 

 

反物質はどこにあるのか 

 

さてこの反物質、どこにあるのかというと、ほとんど地球上に存在しません。なぜなら、物質と反物質が接触すると 対消滅という現象を起こし、膨大なエネルギーを放出しながら 消滅してしまうからです。「+1と−1が合わさって ゼロになるようなもの」というのが、正確ではないかもしれませんが、感覚としては わかりやすいでしょう。 

 

ただ、すぐに対消滅を起こしてしまうものの、わずかな時間ならば、反物質は意外なほど身近なところに存在していることがわかっています。それは、雷雲の中です。けっこう最近の話になりますが、201711月、「雷雲の中では反物質の生成・消滅が繰り返されている」という研究結果が伝えられ、世界に衝撃を与えました。 

 

欧州原子核研究機構(CERN)をはじめとする研究機関では 反物質の生成実験が行われているため、研究機関にも反物質が存在すると言うことができるかもしれませんが、物質に触れれば 対消滅を起こしてしまう反物質を保持できたのは、最先端の研究機関の最長記録でも 約16分ほどの間だけだといいます。 

 

反物質の利用方法 

 

先ほど物質と反物質が対消滅を起こす際には膨大なエネルギーが放出されると説明しましたが、膨大というのがどれくらいかというと、わずか1グラムの反物質が対消滅を起こすだけで、第二次世界大戦において 広島に投下された原子爆弾「リトルボーイ」約3発ぶんのエネルギーが放出されるほどだそうです。 

 

人類が現時点で獲得しているあらゆる手段を凌駕するエネルギー効率ですが、残念ながら 利用するには たくさんの高いハードルがあります。例えば、先に述べた保管の難しさ。最先端の研究機関で、やっと反物質を約16分間保持できるのです。燃料として保管できるようにする難しさは明らかでしょう。 

 

また、生成コストが高すぎるのも問題です。反物質を生成するには 非常にお金がかかりますし、反物質の生成に必要なエネルギーは、それを消費して得られるエネルギーを上回っています。これでは、他の燃料と同じように運用することはできません。 

 

将来の利用方法として、宇宙機の燃料に使えるのではないかと考えられています。小さい質量から膨大なエネルギーを取り出すことができるのは、限られた量の燃料しか積むことができない宇宙機にとって都合がいいですし、宇宙開発のためならば高いコストもある程度許容できるからです。 

 

いかがでしたか?
まだまだ謎が多い反物質ですが、大体のイメージはつかんでもらえたでしょうか。似た感じの言葉に、天文学的な現象を理論的に考えると存在しているはずだが、電磁波に作用しないため観測には至っていない「暗黒物質」というものがあります。しかし、反物質は「理論的には存在するはず」の段階をすでに越え、実際に発見されているという点で暗黒物質とは決定的に異なります。昔は仮説上の存在にすぎなかったものが発見され、それについての研究が進んでいるという事実には胸が躍らされますね。
科学者・研究者さんたちの、一層の活躍を期待しましょう。 

 

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