知的生命体の姿を目撃した写真や経験談が公になってから久しいものの、フェルミのパラドックスにあるように実際に確固たる証拠は発見されていません。
一体彼らはどこにいるのでしょうか?
考え方によっては、既に私たち人間界に潜んでいて、パラサイトされていたりするのでしょうか?
それとも、「地球」という訪問先はブラックリストにでも載っているのでしょうか?
それとも、やはり知的生命体はこの宇宙に私たちしかいないのでしょうか?
今回は、このもどかしい状況を打開するかもしれない「知的生命体発見の方法」に迫ります。
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ケプラーのSETI作戦
まず仮定として、探索対象の知的生命体も私たちと同様の進化を遂げてきたであろう前提で、進化の基準を「電波発信法」とします。
私たちはもう120年近くに渡り、電波を駆使し、人類の文明の一時代を反映させてきたことは確かです。
従って、地球から120光年以内に知的生命体がいたならば、私たちを探知できるはずなのです。
実際に研究者たちは1960年代以降、SETIプログラムにおいて地球外の電波信号を探索してきましたが、ほんの最近になって、NASAの宇宙探査機ケプラーの恩恵にあやかって、知的生命体の基地となるような太陽系外惑星をもつ星系に向けての探査を、実施できるようになりました。
SETI信号に耳を傾けると、雑音が入ってきます。
特定の狭帯域電波を探っているときにはSETI探査が地上波を拾うこともありますが、天文学者たちは極めて洗練されたプロ集団であるため、然るべきシグナルかどうかの見分けはつきます。
この方法での探索ではまだ成功していませんが、まだまだ始まったばかりであることも確かです。
この方法で宇宙にいる似たような知的生命体を突き止められる可能性も否定はできません。
「月」は知的生命体の休憩所!?
月は地球方面に来る知的生命体にとってちょうど良い休憩所だと考えられています。
SETI探査の肝となるのは「怪しい無線信号の追跡」ですが、ニール・アームストロング氏が月面に残したブーツの足跡を考えれば、知的生命体の足跡のようなものを月面で探すのも1つの方法論となる、と考える研究者もいるようです。
知的生命体の廃棄物!?
知的生命体であれば、人類が宇宙旅行を夢見るように、太陽系を周遊することも想定できるのではないでしょうか。
そう考えた研究者たちは、「何らかの廃棄物」を太陽系に残していったのではないか?と考えているようです。
太陽は2つある!?
ここで少し目線を変えて、気温やサイズ、化学組成などから私たちの知っている「太陽」に類似している星を探してみるのはどうでしょう?
実際に太陽は地球にエネルギーを供給してくれており、生命維持には欠かせません。
太陽に似た星から探すことで結果的に知的生命体の痕跡を見つけられるのではないか?というのです。
2012年には、実際に太陽と瓜二つのものを天文学者たちが発見しています。
それは、地球から”わずか”200光年の先にあるものです。
今のところ、その軌道に乗った地球外惑星は見つかっていませんが、知的生命体居住の可能性として「地球に似た」惑星や「太陽に似た」惑星をめがけて未知の文明を探るのも良いかもしれません。
地球外生命体制作の「惑星」!?
ケプラーの最適観測条件で観測すると、惑星が移動する時に星から受ける光のわずかな「くぼみ」が見え、そこに記録される「光度曲線」を分析することが可能です。
惑星は円形をしていますが、その前を変わった形体が通り過ぎたことが高度曲線に表れると、それはかなりのヒントになります。
変わった形体の惑星は自然には存在しないと考えられているため、丸くないものをケプラーが捉えた場合には、知的生命体の”作品”と考えてよいでしょう。
このような間接的なSETIは、SETTと呼ばれ、宇宙における高度技術の証拠を間接的に探求するという点で、SETIとは異なる定義となっています。
消えた惑星!?
1964年に、当時のソ連の天文学者、ニコライ・カルダシェフは次のような仮説を立てました。
「地球外知的生命体の中には、文明レベルがあまりに高度で、星から来るエネルギーのすべてを利用し尽くしてしまうようなものが存在する」
そのような地球外文明は宇宙の文明度を示す指標、通称カルダシェフ・スケールの「第2段階」として知られています。
そのようなことが技術的にどのように可能になるのでしょうか?
実は、星の周りに あのサイエンスフィクションに出てくるような”ダイソン球”を作るのだといいます。
その星からのエネルギーをすべて吸収し、その星は外部の観察者からは見えなくなるため、近くの星座のダークポケットに星の光が欠けていた場合には地球外文明が星の周りを囲んでいることが憶測され、彼らの発見に近づくかもしれないのです。
惑星を侵食する知的生命体!?
私たちが現在持っている技術では、宇宙で鉱石を採掘し、精錬できるまでに至っていません。
とはいえ、遠方の地球外文明はもっと進歩しているかもしれません。
小惑星が資源を多く含んでおり、他の星の周りを回っていることは私たちにとっても既知であるため、他の知的生命体も同じ考えに至っていることは十分考えられます
「惑星の資源を採掘して豊かになろう!」という考えを持った知的生命体による、他の惑星の”大規模採掘事業”の”残骸”を探知しようとすることも、知的生命体発見のための方法の1つなのです。
ブラックホール宇宙船エンジン!
十分な進化を遂げた知的生命体の中には、自分たちの小さなブラックホールすら作ってしまう種族もいるかもしれません。
わずかな原子の大きさでありながら、100万トンもある物体を運搬できると言われるブラックホールを”駆動機”のようなものに入れ、膨大なガンマ線を発生させ、宇宙船の動力に変換できたとしたらどうでしょう?
研究者たちによれば、これは無限の動力源になり得るそうで、発せられる放射線の特徴が分かれば、その技術を持った知的生命体を逆探知できるかもしれないのです。
私たちに向けた閃光放射?
知的生命体が電波を常に発信しているのではないか、という仮定を掲げる研究者もいます。
SETIで最初に探知した雑音の件から憶測できるように、最も可能性が高いのは、連続した信号ではなく「一時的閃光」でしょう。
四六時中発信し続けるのは非現実的だからです。
それゆえに、一瞬しかチャンスがない瞬間をどのように捉えるかが課題ではあるものの、アイデアとしては可能性を秘めています。
イルカのような知的生命体?
イルカが人間に近しい高い知性を持っていることは聞いたことがある人も多いでしょう。
イルカが人間のように無線通信の技術を持っているかどうかはさておき、知的生命体がイルカに類似していると仮定するのはどうでしょう?
彼らを探知するには、本当にその現地へ足を運び、対面するしか方法がないのでしょうか?
この議論はSETIの発端とも言え、宇宙規模で見た「知性」とはいったい何なのかを問い直すことが求められています。
省エネな知的生命体?
宇宙が極めて静かであることから、天文学者の中には、潔く「地球以外の惑星にはほかに知的生命体は存在しない」と断言した人たちもいました。
科学的見地からすれば、合理的な考えです。
しかし、その静けさの背景に「エイリアンが交流を望んでいないこと」が隠されていたとしたらどうでしょうか?
必ずしも地球人と交流する必要がない場合もあり得るのです。
彼らは極めて効率的なエネルギー消費を心がけ、最低限の信号しか発信していないかもしれません。それゆえに地球人から探知しにくいとも考えられるのです。
侵略されるまで息を潜める!?
多くのSF映画から伺えるように、エイリアンの侵略が間近に迫っていたとしたら、侵略の理由を考えているどころではありません。
地球外知的生命体の侵略に備えて、SETI戦略はそもそも有効なのでしょうか?
研究者、宇宙関係者たちは長い間、地球外生命体の到来を待ち続けて来ました。
能動的にSETI戦略を仕掛けにいくのが正解ならば、逆に SETI、つまり地球外知性をひたすら待つことも選択肢としてあるべきです。
とにかく静かにして、私たちの存在に気付かれないよう祈りながら、シナリオ通りにやってくる“侵略の時”を待つ、これも一つの知的生命体発見の方法なのかもしれません。
知的生命体がいそうでいない、もどかしい状況に数多くの研究者・学者が頭を捻っていることがわかります。知的生命体とコンタクトを取れるような画期的なアイデアは今後出てくるのでしょうか?楽しみに人類の進歩を待つとしましょう。
参考 : 13 Ways to Hunt Intelligent Aliens, など
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