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地中海に沈んだ古代エジプトの都市「ヘラクレイオン」

地中海に沈んだ古代エジプトの都市「ヘラクレイオン」雑学
地中海に沈んだ古代エジプトの都市「ヘラクレイオン」

 

皆さんは、古代エジプトと言えば何を思い浮かべるでしょうか。

有名なギザのピラミッドやスフィンクスは、世界遺産として観光の名所にもなっていることもあり、古代エジプトの象徴として真っ先に頭に浮かぶかもしれません。

これらは当時の首都メンフィスの近くに造られ、現代でもほぼ当時の姿をとどめていて、私たちが実際に訪れることもできる遺跡です。

一方、エジプトの古代都市の中には、大地震や洪水などによって海の底に沈んでしまったものもありました。

今回は、そんな水没した古代都市、「ヘラクレイオン」についてお伝えします。

 

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「ヘラクレイオン」とは

「ヘラクレイオン」は、別名「トロニス」とも呼ばれ、エジプトの港町アレキサンドリアの近く、アブキール湾沖6.5kmの所に沈んでいます。

その名前は、ギリシャ神話に登場する英雄「ヘラクレス」に由来し、エジプト新王国の末期(紀元前6〜4世紀頃)に、王国の中心的な港として重要な役割を果たしていたと考えられています。

そこには、ギリシャ人が「ヘラクレス神殿」と呼んでいたアメン神の大神殿があり、当時アメン信仰が盛んになっていたことを物語っています。

特に「ヘラクレイオン」が栄えていた紀元前4世紀には、当時のファラオ(王)であるネクタネボ1世が、多数の神殿を建立したと言われています。

この古代都市は元々、ナイルデルタと呼ばれるナイル川河口の三角州地帯にある島々の上に建てられ、多くの波止場を有していましたが、6世紀から7世紀頃に起こった大地震などによる地殻変動や海面の上昇などによって海に沈んだというのが近年の有力な説です。

それが2000年になって、フランス人でヨーロッパ海洋考古学研究所(IEASM)の創設者である、フランク・ゴディオという考古学者によって発見されました。

この都市は古代エジプトにおいて最大級の港湾都市であったと言い伝えられていましたが、史実として存在していたかどうかは長い間謎に包まれていました。

また、多くの学者は、この時まで「ヘラクレイオン」と「トロニス」という伝説の2つの都市が同一のものであることを知りませんでしたが、海中に眠る神殿の遺跡の発見によって、その存在が立証されました。

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海に沈んだ遺跡「ヘラクレイオン」で発見されたもの

この海底遺跡からは、巨大な石像3体を含む神殿遺跡の他、古代エジプトの軍用高速船、豪華な陶磁器や、副葬品としての板編み細工のかご、宝飾品、エジプトのプトレマイオス朝の金貨、プトレマイオス3世の石碑などが発見されています。

まず、陶磁器はギリシャから持ち込まれたものと見られ、板編み細工のかごの中には、ブドウの種やアフリカヤシの果実などがいっぱいに詰まっていたということです。

このような果実を詰めたかごについては、墳墓の中で良く見つかるものであり、これらが2400年間も手付かずの状態で発見されたことは、考古学者らを大いに驚かせたようです。

さらに、通常であれば海水に含まれる塩分によって損傷しているはずの軍用高速船(ガレー船)が、ほとんど無傷の非常に良好な状態で発見されました。

この船は、長さが25メートルほどであるのに対し、幅はその6分の1ほどに抑えられていることから、水の抵抗を減らして高速で航行することを目的に作られていたことが分かりました。

この高速船についてゴディオ博士は、貨物船や客船のように積載量を確保する船の構造とは明らかに違うことから、速度重視の軍艦だったと考えているようです。

また、この船は、湾に停泊していた際に近くの建物から落下した石材の直撃を受けて沈没したと推測されていますが、全体的にほぼ無傷の状態で発見されました。

これはナイル川が運んできた粘土質の泥土を含む堆積物によって保護されていたためだと考えられています。

そうした堆積物の中に埋まっていたために長い間海底で眠り続けていた「ヘラクレイオン」の遺跡ですが、この貴重な発見を可能にしたのは、海底の堆積物の中に埋まったものでも識別することができる、高性能なスキャニングツールでした。

衛星や音響探索、核磁気共鳴装置、サイドスキャンソナーといった最新機器を駆使し、これらから得られたデータを元に、「ヘラクレイオン」付近で、それまで存在の知られていなかった港も発見されました。

そこへ考古学ダイバーたちが潜って調査を重ね、神殿の近くに沈んだ数隻の船の残骸などから、硬貨や陶器類、宝飾品などを次々と発見したのです。

発見された硬貨の中には、エジプトの古代王朝、プトレマイオス朝(紀元前305年ー紀元前30年)のものがありました。

プトレマイオス朝といえば、3代目のファラオであったプトレマイオス3世に関して、彼を称えるカノープス勅令と呼ばれる碑文に、「ヘラクレイオン」の名が記されています。

そこには、「ヘラクレイオンは、隔年の『コイアックの月』(コプト歴で4月)にオシリスの密儀が行われた場所と言われる。

オシリス神は祭祀船でアメン神殿からカノープスの神殿へ渡御する。」と書かれていました。

実際にIEASMのチームは、ヘラクレイオンの北東部に位置する運河沿いに、豪華な副葬品で覆われた大規模な埋葬の遺構も発見しています。

この遺構では、広範囲にわたって物を燃やした痕跡が多数発見され、何らかの儀式が行われていたと見られています。

このような数々の発見から、古代都市「ヘラクレイオン」が栄華を誇っていた時代が推測されます。

 

いかがでしたか?
目覚ましく進歩した現代の科学技術は、2000年以上も海の底に眠っていた古代遺跡の発見をも可能にしました。今後もさらに地球上のあらゆる場所の調査が進めば、私たちが想像もしていなかった場所から、これまでは伝説に過ぎなかった他の古代文明の謎や、さまざまなミステリーが解明されるような新発見があるかもしれませんね。
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