YouTubeでもチェック&チャンネル登録!

巨大な太陽フレア ~地球の通信や電波に及ぼす深刻な影響~

巨大な太陽フレア ~地球の通信や電波に及ぼす深刻な影響~未来
巨大な太陽フレア ~地球の通信や電波に及ぼす深刻な影響~

皆さんは、太陽表面の黒点付近で起きる爆発「太陽フレア」が、地球の長距離通信に障害を引き起こす可能性があるという話を聞いたことがありますか?

このことについて、地球外知的生命探査で有名な、プエルトリコのアレシボ天文台で収集されたデータを元に、ニューメキシコ工科大学の研究チームが検証した結果が、2021年5月の「Scientific Report」誌に掲載されました。

今回は、この「太陽フレア」が地球の通信などに及ぼす影響についてお伝えします。

LALALAちゃんねる!の動画で見る
スポンサードリンク

「太陽フレア」とは

簡単にいうと、「太陽フレア」は太陽の表面で起きる爆発です。

そのエネルギーは、水素爆弾のおよそ10万個から1億個分になるとも言われ、大きなものは白色光で観測されることもあるため、「白色フレア」と呼ばれます。

また、小さなものでは1日に3回程度起きていて、これらは爆発の際に電磁波が増加することによって観測されています。

「フレア」というのは、英語で「火炎」を表し、天文学においては恒星で発生する巨大な爆発現象を指す言葉で、太陽以外の天体でも確認されています。

この「太陽フレア」は、1859年に初めて、イギリスの天文学者であるリチャード・キャリントンによって観測されました。

スポンサードリンク

これまでに観測された「太陽フレア」の影響

1859年9月1日に起きた大規模なフレアは、その後に爆発的な太陽風が放出されたことから、太陽嵐と呼ばれ、現在記録に残る中で最も大きな「太陽フレア」であるとされています。

これはまた、観測者であるリチャード・キャリントンの名に因んで、「キャリントン・イベント」と表記されることもあり、そのあまりの大きさから「スーパーフレア」とも呼ばれています。

この「スーパーフレア」が観測されたのとほぼ同時刻に、イギリスのキュー天文台の磁気センサーに、「デリンジャー現象」と呼ばれる通信障害が記録されていました。

この現象は、太陽で発生するX線や紫外線が急増し、それらが地球を取り巻く大気の上層部(電離層)に到達することで、電離層内の電子の密度が増加して起こるものだとされています。

この「スーパーフレア」観測の翌日以降に、磁気嵐と呼ばれる磁気の乱れが世界中で観測されたことから、キャリントンは太陽に原因があるのではないかと疑いました。

また、この時の被害としては、北米や欧州で電信線の帯電によるオフィスの発火などが報告されています。

その後、1921年と1960年に発生した小規模な太陽嵐でも世界中に電波障害が起こり、1989年3月に巨大なフレアが発生した際は、カナダのケベック州において、10時間にも及ぶ大規模な停電が発生しました。

また、2003年11月4日に起こった激しいフレアは、人工衛星や惑星探査機にも影響を及ぼし、2012年7月23日には、1859年のものにも匹敵するような太陽嵐が発生して、その際太陽風が地球のすぐ近くをかすめたと、NASAによって公表されています。

この地球のすぐ近くというのは、地球の実際の軌道上であり、もしこの太陽風の発生が1週間前に起こっていたら、地球を直撃する恐れもありました。

近年の不可解な爆発と太陽嵐接近の予測

2016年3月、NASA(アメリカ航空宇宙局)は、太陽の、それまでの分類に当てはまらない爆発現象を検出しました。

その分類とは、「ジェット」と呼ばれる、太陽表面から細いビーム状に物質が噴出するもの、「コロナ質量放出」と呼ばれる、同じ物質が塊となって噴出するもの、そして、噴出された粒子やエネルギーが宇宙空間まで飛び出さずに太陽へ向かって落ちて行く「部分的な噴出」の3種類です。

NASAの科学者たちは、「ジェット」にも「コロナ質量放出」にも当てはまらないような、それらの中間程度の規模の高温の物質の層が噴射されたことを確認しました。

そしてその30分後に、同じ場所から部分的な噴出が起こって、低温のプラズマが噴出されましたが、不発となって再び太陽へと落ちて行きました。

このことから、NASAは3種類の爆発現象を結びつけ、スケールは違うものの、発生のメカニズムが同じであるという可能性を示しました。

しかし、これらの爆発が発生する具体的なメカニズムや、それぞれの形態をとる理由については、まだ解明されていません。

この爆発の引き金は何か、また、なぜ爆発が中途半端なものになるのかといった謎が解明されれば、「太陽フレア」による太陽嵐が地球に接近する数時間前に検出することが可能になるかもしれません。

スポンサードリンク

今後起こり得る「太陽フレア」とその影響

南極大陸やグリーンランドから採取した古代の氷、「氷床コア」の研究により、過去1300年の間に強力な太陽嵐(太陽フレア)が2回起きていることがわかりました。

また、日本の名古屋大学の研究チームも、屋久杉の年輪中の放射性炭素濃度の測定により、西暦774年から775年の間にある種の炭素濃度が異常に増加しているという研究結果を発表しています。

そしてその原因の一つが「太陽フレア」であると考えられています。

この「太陽フレア」は、決してそれで終わったわけではなく、ある周期で太陽の活動が活発になると発生し、太陽嵐、磁気嵐を引き起こして、地球の通信網や電力系統に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。

その影響の一部を挙げると、もし太陽嵐が地球の磁場を通過した場合、何年にも渡って強力な磁場嵐が電力網を麻痺させ、無線通信を妨げて、航空機乗務員は危険水準の宇宙線で被曝し、また、重要な衛星が故障する可能性もあります。

160年以上も前の世界でさえ大きな被害をもたらした「太陽フレア」が、インターネットやカーナビゲーション、携帯電話などの通信に頼りきっている現代に発生したら、その被害の大きさは計り知れません。

新たな研究では、太陽から放出される大量の荷電粒子が世界のインターネットを支える海底ケーブルに壊滅的な被害を与えるとし、巨大な太陽嵐によって発生した停電が復旧しても、インターネットの使えない状態が続くという可能性が指摘されています。

いかがでしたか?
太陽の活動周期が、長年続いていた極小期から拡大期に転じたことから、アメリカなどでは「太陽フレア」が引き起こす大規模な太陽嵐と、それによる損失を予測して対策が講じられています。2025年にはピークになるとも言われている太陽活動で、「太陽フレア」が発生した場合の被害が甚大なものにならないことを祈ります。
参考 : jaxa, wikipedia, businessinsider, など
スポンサードリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました