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マクスウェルの悪魔 ~科学に利益をもたらす思考実験~

マクスウェルの悪魔 ~科学に利益をもたらす思考実験~科学
マクスウェルの悪魔 ~科学に利益をもたらす思考実験~

 

皆さんは、マクスウェルの悪魔という思考実験を知っていますか?このマクスウェルの悪魔は、ある物理学者の手によって誕生させられた想像上の悪魔で、神話に出てくるような悪魔とは性質が異なります。

物理学者は、この悪魔を使ってある思考実験を行いました。今回は、マクスウェルの悪魔という思考実験の過程と最期についてご紹介します。

 

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マクスウェルの悪魔

マクスウェルの悪魔は、スコットランドの物理学者として知られているジェームズ・クラーク・マクスウェルが唱えた思考実験で、マクスウェルのデーモン、マクスウェルの魔物、マクスウェルの魔と呼ばれることもあります。

ジェームズ・クラーク・マクスウェルは、分子がはたらく様子を見ることができる悪魔をイメージすることで、熱力学第2法則で禁止されているエントロピーが少なくなる現象を実証しようとしたのです。

 

気体で満たされた部屋

熱力学第2法則の中では、エントロピーは増えるものであるとされていました。しかし、ジェームズ・クラーク・マクスウェルが悪魔を誕生させたことで、その理論は覆ることになります。

ジェームズ・クラーク・マクスウェルは、はじめにドア付きの仕切りによって2つに分割された部屋をイメージしました。

部屋の中は粒子で構成された気体で満たされており、それぞれの粒子の動くスピードの平均が粒子の温度を決定づけています。

つまり、粒子の動くスピードが全体的に見て高速であればあるほど粒子の温度も高くなるという仕組みになっています。ただし、粒子の1粒1粒に注目して見てみると、粒子の動くスピードには個体差があることが分かります。

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気体で満たされた部屋に現れる悪魔

気体で満たされた部屋をイメージしたあとは、悪魔を部屋にある 仕切りのドアの前に出現させます。

そして、左の部屋から高速の粒子がやってきたらドアを開いて 右の部屋に閉じ込め、右の部屋からスピードが遅い粒子がやってきたらドアを開いて左の部屋に閉じ込めるようにします。

この行為を繰り返していると、右の部屋には高速で動く粒子で、左の部屋は動くスピードが遅い粒子で満たされるようになります。

このとき、本来であればエントロピーは増えるはずですが、悪魔を出現させたことでエントロピーは少なくなってしまいました。

 

情報エントロピー理論とランダウアーの原理

科学者たちは、部屋に現れた悪魔を倒す方法を考えました。しかし、この悪魔を倒すには100年もの時間がかかるといわれるほど難解でした。

そんな中、情報理論の父の名で知られているクロード・シャノンが情報エントロピー理論を、物理学者である ロルフ・ランダウアーがランダウアーの原理を唱えました。

この2つの考えは、悪魔を倒すための鍵となりました。ただし、これだけでは悪魔を倒すことはできませんでした。

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チャールズ・ベネットの気づき 

1982年、物理学者であるチャールズ・ベネットは、マクスウェルの悪魔はデータを処理する機械に過ぎないという確信を持ちました。

悪魔はドアを開け閉めする瞬間を決定するために、全粒子のデータを覚える必要があります。そうなると、データを削除する必要性も出てきます。

ランダウアーの原理では、粒子を分類するときに少なくなるエントロピーよりも、データを削除するために増えるエントロピーの方が多いとされています。

ということは、悪魔は自然の摂理に反逆を起こすことは不可能になるわけです。

 

リアルな実験

二十世紀に突入してからというもの、科学者たちは悪魔に徹底的に攻撃するため、これまで以上に奮闘するようになりました。これまで単なる思考実験だけだったのが、実際に実験が行われるようになったのです。

2007年には、光で動くゲートを用いた実験によって、マクスウェルの悪魔の思考実験の様子がリアルに表現され、2016年には、光を気体の代わりにしてミニサイズのバッテリーを充電することもできるようになりました。

 

いかがでしたか?
マクスウェルの悪魔という思考実験の過程と最期についてご紹介しました。マクスウェルの悪魔の思考実験によって生まれたさまざまな考えや理論は、冷蔵庫に使われている熱システムの効率をアップさせたり、コンピューターチップを制作するのに役立つかもしれないといわれています。ある1人の科学者によって誕生させられた悪魔は、科学に多大な利益をもたらすきっかけとなるかもしれません。
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