夜空に美しく浮かび上がる月は地球の衛星であり、地球の傍らをとめどなく回遊しています。
しかしとある研究によると、月は徐々に地球から距離をとっているかもしれないことが判明しました。
年数がプラスされるごとに月が地球から距離をとっていることが 本当なのであれば、遥か先の未来で月は地球の衛星ではなくなってしまうのか?
月と地球の距離がとられてゆくと、地球にはどんな変異があるのか?という疑惑が沸き起こります。
今回は、徐々に地球から距離をとっている月のミステリーについて解説致します。
毎年約3.8cmずつ離れてゆく月
月の軌道の直径は、およそ76万8千kmであるとされています。
しかしこの軌道の直径、毎年約3.8cmのペースで伸びているようなのです。
このまま軌道の直径の長さが伸びることになれば、数十億年後には地球のそばを離れ、広大な宇宙空間のどこかに移動している可能性が出てきます。
何故、徐々に地球と月の距離が離れてゆく現象が発生するのでしょうか。
その原因は、地球が自転するスピードと月が公転するスピードの差異にあります。
地球の自転スピードは遅く、月の公転スピードは速くなる
地球は1日1回のペースで自転していますが、月は27.3日に1回のペースで公転をしています。
この法則に従った場合、地球が自転するスピードと月が公転するスピードには大きな幅があります。
この地球の自転と月の公転の差異が、不思議な現象を巻き起こします。
今からそのメカニズムについて解説します。
地球上に広がる美しい海は、潮汐力という力がはたらく影響で膨張しています。
この膨張部分は、地球の自転のペースがスピーディーであるため、月の正面から若干ずれているところへ動きます。
ここで、月の正面から若干ずれたところへ動く 膨張部分が月を引っぱり月の公転するスピードをアップさせ、月が膨張した海を引っぱり地球が自転するスピードを下げさせるというような現象が発生します。
つまり、地球は月によって自転のスピードが遅くなり、月は地球によって公転のスピードがアップするということになるのです。
月は公転する軌道を大きくさせようとする
地球の自転のスピードが遅く、月の公転のスピードが速くなることで、地球の1日は10万年経つごとに1秒増えるのではないかといわれています。
ただし、月はハイペースで公転のスピードをアップさせることはできません。
月と地球がある程度距離を保つためには、月の公転スピードを安定させる必要があるからです。
そこで、月は公転するスピードをアップさせずに、公転する軌道の大きさをアップさせようとします。
これが、月が地球から離れてゆく仕組みです。
遠い未来、月は地球の唯一の衛星ではなくなるのか?
月が徐々に地球から離れてゆくことで、遠い未来、月が地球の唯一の衛星ではなくなってしまうのではないかという懸念が生まれます。
しかし、月が徐々に地球から離れていったとしても、月は地球の唯一の衛星であり続けます。
月の公転スピードは速くなり、地球の自転スピードが遅くなることで月は軌道の大きさをアップさせようとしますが、どこかのタイミングで月の公転スピードと地球の自転スピードは同じくらいになります。
そうなると、月と地球の距離が離れる意味はなくなります。
月と地球の距離は離れてしまいますが、地球が自転し月が公転する限り月は地球の唯一の衛星であり続けます。
月と地球の距離が離れると、潮の満ち引きがなくなる
月と地球の距離が今以上に離れると、地球上では潮の満ち引きがなくなるという現象が発生します。
潮の満ち引きがなくなるのは、理論上ではおよそ500億年後であるといわれています。
しかし約500億年後、天文学の分野においては地球どころか太陽系ごとなくなってしまうとされています。
太陽の寿命は約50億年ほどであると推測されており、死が近づくにつれ火星の軌道あたりまで膨張しやがて赤色巨星となって爆発します。すると、地球もろとも爆発の影響で滅んでしまいます。
このことから、約500億年後、潮の満ち引きがなくなる地球は存在しない可能性が高いといえるでしょう。
徐々に地球から距離をとる月のミステリーについて解説致しました。月と地球の距離がとられたとしても月は地球の衛星であり続けるとは、何とも言えないロマンがあります。しかし月と地球の距離が今以上に伸びることによって、月の光が弱まってしまうことを考えると、ロマンを感じると同時に何だか寂しい気持ちになりますね。
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