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暗闇で光る「エウロパ」 ~木星の衛星が輝く秘密~

暗闇で光る「エウロパ」 ~木星の衛星が輝く秘密~衛星
暗闇で光る「エウロパ」 ~木星の衛星が輝く秘密~

 

木星を周回する衛星「エウロパ」は、月よりも若干小さく、氷から成る地表を持った衛星です。

2020年11月9日、アメリカ航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所の研究グループは「エウロパ」は太陽光が届かない夜側でも光を放っている可能性があると、学術雑誌「ネイチャー・アストロノミー」で発表しました。

「エウロパ」の地表の氷は水に硫酸マグネシウムや塩化ナトリウム、つまり塩で組成されていて、そこに木星の強力な磁気圏から高エネルギー荷電粒子が昼夜を問わず降り注ぐことで、多様な輝きを放ち、夜でも光って見えるそうです。

今回は、この衛星「エウロパ」について紹介します。

 

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「エウロパ」の表面

「エウロパ」は、木星が有する約80個の衛星の内の1つです。主に氷でできた地殻を持ち、その氷の地殻の下には氷殻に覆われた広大な水の海が存在すると考えられています。

科学者たちは、この広大な海に地球外生命体が存在する可能性があると考えているようです。

「エウロパ」に地球外生命体が存在するという可能性を検証するために重要なのが「エウロパ」の表面を覆っている氷がどのような組成になっているのか、ということなのです。

実は「エウロパ」の表面を覆っているのは、硫酸マグネシウムや塩化ナトリウム、つまり塩を含む塩水の氷であり、木星から降り注ぐ強い放射線、高エネルギー荷電粒子と「エウロパ」の塩分を含んだ氷の表面との相互作用によって、何らかの物理的かつ 化学的な反応が発生すると予測しているようです。

「エウロパ」の表面の組成を特定するには、この相互作用という点が重要だと考えているのですが、実際の物理的かつ化学的反応がどのようなものなのか、明確になっていないのです。

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「エウロパ」の模様

1610年、ガリレオによって発見された木星の第2衛星「エウロパ」は、地球から双眼鏡で確認できるくらいの明るい光を放っています。

「エウロパ」の表面は分厚い氷に覆われていて、その下には広大な海が存在していると考えられていることから、地球外生命体の存在に関する議論の中で、頻繁に例として取り上げられる「エウロパ」ですが、実際の「エウロパ」の環境は極寒とも言えるもので、私たちが暮らしている地球の環境とは似ても似つかないものだそうです。

しかし、地球と「エウロパ」には類似点も多いようで、その一つが「塩」の存在だそうです。

そして米国のカリフォルニア工科大学とNASAジェット推進研究所の惑星科学者チームは「エウロパ」の表面に見られる黄色い模様が「塩化ナトリウム」、つまり、私たちが日常的に調理で使用している「塩」であることを突き止めたそうです。

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黄色く変色した「塩」

「エウロパ」を覆っている氷の下に海が存在しているという説はかなり前から存在していましたが、その海水の化学組成についてはほとんど分かっていませんでした。

しかし「エウロパ」の表面に見られる黄色い模様に塩化ナトリウムが存在することが判明したため、「エウロパ」の海水が地球の海水と同様に、塩水である可能性が出てきたのです。

「エウロパ」の海水に塩化ナトリウムが含まれていることは以前から予想されていましたが、実際に「エウロパ」の海水が地球の海水に似ている証拠が特定されたことの意義は大きいと言えます。

実はこれまで、赤外線分光計で「エウロパ」表面の分光観測を行っていて、水の氷と硫酸マグネシウムと思われる物質のスペクトルを検出していました。

一方、塩化ナトリウムの吸収線は赤外線の波長域にほとんど存在しないため、その特定は困難でした。

ただ研究グループでは、実験室内で「エウロパ」の環境を再現した上で、海の塩に放射線を照射すると、塩化ナトリウムが黄色く変色することを把握していて、この黄色が「エウロパ」のタラ地域と呼ばれる地域の色に似ていることを発見したのです。

そこで、研究グループはハッブル宇宙望遠鏡を使って、可視光線で「エウロパ」の表面を分光観測したところ、放射線の照射を受けて変色した塩化ナトリウムとスペクトルと正確に一致することが分かったのです。

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予想外の氷の輝き

「エウロパ」の表面で起こる相互作用を解明したいと考えた研究グループは、まず「エウロパ」について詳しく知るために、木星の強力な磁気圏から高エネルギー荷電粒子の放射を受けた「エウロパ」表面にどのような反応が現れるのか、シミュレーションをすることにしました。

研究グループは、「エウロパ」の環境を再現した独自の実験室「ICE-HEART」に、木星の電子放射を模した高エネルギー電子線を照射するという実験を行いました。

研究グループが、まず単純な水の氷に高エネルギー電子線を照射したところ、電子線が当たった氷は可視光で輝きを放ちました。

ただ、これは当然のことで、高エネルギー状態となった分子内は、すぐに低エネルギーの安定した状態へ戻ろうとする際、過剰なエネルギーを可視光として放出する現象です。

次に、「エウロパ」の表面を覆う氷には、硫酸マグネシウムや塩化ナトリウム、つまり地球上で一般的な塩が混合していると推測されることから、塩化ナトリウムと水を50:50の割合で混ぜた塩水をマイナス約173度で凍結させた氷に 電子線を照射しました。

すると予想外とも言える様々な光が観察されたのです。それは、氷の組成の違いによって高エネルギーの電子線放射に対する反応も変化し、特有の氷の輝きを放ったのです。

研究グループによると、この新発見は本当に偶然の産物だったそうです。

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光る「エウロパ」がもたらす可能性

夜空に輝く月は、太陽の光を反射することで輝いているのですが「エウロパ」は月とは異なる仕組みで光り輝いていることになります。

今回の実験結果から「エウロパ」の輝き方は、表面の氷の組成によって異なることも明らかになりました。

恐らく「エウロパ」は、表面の氷の組成の違いによって、やや緑色がかって見えることもあれば、青色や白色っぽく見えることもあり、光度も変わってくると考えられます。

木星から降り注ぐ放射線や高エネルギー荷電粒子によって「エウロパ」が夜でも光り輝いているとするならば、今回の実験結果を利用して「エウロパ」表面の組成に関する詳しい情報が得られる可能があり「エウロパ」が地球外生命体の存在に適しているか否かも分かるかもしれません。

 

生命存在に欠かせない塩

生命が誕生するためには「有機物」「液体の水」「エネルギー」の3つの条件を満たす必要があると考えられています。

そして生命体が代謝を行うには塩化ナトリウム、特にその中に含まれるナトリウムイオンが重要な役割を担っています。

「エウロパ」の表面に見られる黄色い模様が「塩化ナトリウム」であるということは、生命体が存在、維持するのに必要不可欠な材料の1つが確実に存在しているということです。

 

いかがでしたか?
「エウロパ」の表面の光を分析することで、表面の化学的な組成を詳しく知ることが分かりました。そして、2022年には欧州宇宙機関が木星氷衛星探査機「JUICE」を打ち上げ、内部に水が存在していると推測される「エウロパ」「ガニメデ」「カリスト」の木星の3衛星を調査し、2023年から2025年にはNASAが探査機「エウロパ・クリッパー」を打ち上げ、「エウロパ」の内部構造を調査する予定だと言います。探査機2機による観測データの分析によって、地球外生命体の存在可能性について、新たな手掛かりがもたらされることを待ちましょう。
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