地球上には、古代から姿かたちを変えていない生物が複数います。
その1つが、「カブトエビ」です。
カブトエビは、サイズはとても小さく、カブトガニとエビが合わさったようなフォルムなのですが、見た目は古代生物と聞いて出てくるイメージそのものです。
彼らは、3億年前からその見た目にほとんど変化がないと言われており、まさに生きる古代生物状態です。
3億年がどれほど前かというと、恐竜が誕生したのが2億5100万年前、恐竜が絶滅したのが6600万年前、人類が誕生したのが700万年以上前と言われていますので、恐竜や人類と比べてもかなりの先輩だということになります。
そんな彼ら、カブトエビの豆知識を、今回は10個ご紹介します。
皆さんもいくつ知っているか数えながらご覧ください。
名前の由来
まずは、彼らがカブトエビと呼ばれる所以についてです。
カブトエビはギリシャ語でTriopsといい「三つ目」という意味です。
見つけやすい目が左右に一つずつあり、その間にもう1つ小さい目がついていますので、合計で3つの目を持っています。
これは「ノープリウス眼」というもので、原始的生物の特徴の1つです。
カブトエビの種類
カブトエビには、いくつもの種類がいることをご存知でしたか?
湖や池から、プールにわたるまで、南極以外のすべての地球上に生息していると言われています。
種類ごとに特徴があり、見た目や好む温度などが異なります。
足の最大本数
カブトエビは種類によっても姿が違うとお話しましたが、カブトエビの中には最大で140本もの足を持つ個体もいます。
種類にもよりますが、水流感知・餌の探知・卵の保管場所・呼吸器官など、足の役割は多岐にわたります。
彼らの食糧
長く生きている個体というのは、生命維持能力にも長けている場合が多いです。カブトエビも例外ではなく、彼らはものすごいスピードで成長します。
成長のためにかなりのエネルギーを要するため、彼らは何でも食べてしまいます。
藻や微生物、時には小さいカブトエビを食べて、栄養を確保しています。
脱皮は命がけ
カブトエビの成長スピードはとても早く、そのせいで彼らの脱皮の頻度も高くなります。
時には1日1回の脱皮をしますが、これが上手くできない場合には死に至ることもあるのです。
まさに、命がけの脱皮をして大人になるのです。
過酷な状況で生きる卵
過酷な状況でも生きられるからこそ、種としての歴史を積み重ねることができたのでしょう。
カブトエビは卵の時に過酷な状況に耐えることができます。
卵の周りに包嚢(ほうのう)を作り、保護することで、睡眠状態になります。
気候・乾燥・放射能から卵を守り、10年近くもの間 睡眠状態を維持することができるのです。
宇宙空間でも1年半生きる
カブトエビは卵の保護剤がなくても、個体そのものも強いのです。
宇宙空間で18カ月もの間、生き延びることができます。
かなりの長期間、過酷な状況でも生きられることから、宇宙空間での長期間の活動の際に重宝される食糧として有力視されているほどです。
特殊な生殖方法
古代から長く生きるために重要なことの1つが、繁殖能力です。カブトエビの繁殖方法は1つではなく、受精を必要としない生殖方法もあります。
つまり、雌雄同体ということなのですが、そのようにいくつかの生殖方法を持つことで長く生きてこられたのでしょう。
「生きた化石」ではない
生きた化石という呼ばれ方もするカブトエビですが、厳密に言うとそうではありません。
見た目こそほとんど変わっていませんが、彼らのDNAや生殖能力は、常に進化している、つまり3億年前とは違う状態であることがわかっています。
そのため、3億年前と同じ形態で生きているというわけではない ということです。
カブトエビは簡単に手に入る
ここまでで9つの豆知識を紹介しましたが、中にはカブトエビを飼育したくなった方もいるのではないでしょうか?
実は、カブトエビキットというものが多数存在しています。
通販でも手に入れることができますので、家でぽちっと注文したら後は待っているだけで、あなたのカブトエビとの生活が始まるのです。
皆さんは10個の豆知識の内、いくつご存知でしたか?もし0個だったとしても、ご安心ください。今日この動画を見たあなたは、カブトエビ博士に近づきましたよ。
参考 : mentalfloss, など
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