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火星の水が消失したメカニズム ~かつては水の惑星だった?~

火星の水が消失したメカニズム ~かつては水の惑星だった?~科学
火星の水が消失したメカニズム ~かつては水の惑星だった?~

 

火星の地下に埋蔵されている大量の氷塊を溶かして「水の惑星」に変貌させ、地球のような環境に改造する「テラフォーミング」を行うことで、私たち地球人が火星に移住できるかもしれないと考えられてきましたが、この壮大な夢が永遠に実現不可能となるかもしれません。

数十億年前には 水が豊富に存在していたと考えられる火星ですが、現在ではその水の大部分が消失してしまった可能性と、その理由に関する新しい研究結果が報告されたのです。

今回は、火星がかつては「水の惑星」だった痕跡や、その水が消失したメカニズムなどについて紹介します。

 

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水が豊富にあった当時の火星の気候

現在の火星はとても乾燥していますが、火星の上空を周回する探査機や火星の地表に着陸した探査車での調査によって、水の影響を受けることで形成された地形や鉱物が続々と発見されていることから、太古の火星の表面には 海ができるほど豊富な水が存在していたと考えられています。

ただ、これらの地形が「温暖な気候の下で流動する水によって形成された」のか、それとも「寒冷な気候で氷河の一部が溶けた水によって形成された」のかについては、判明していませんでした。

そして最近、海ができるほど豊富な水が存在していた当時の火星は、温暖な気候であると同時に半乾燥な気候でもあったとする研究結果が発表されたのです。

 

シミュレーションによって再現された火星の気候

東京工業大学地球生命研究所の研究チームがシミュレーションによって再現した、火星の北半球に海が存在していた頃の気候は「温暖で半乾燥」というものでした。

雨は降りますが雪は降らず、氷河が成長するには低い湿度で、現在の地球でいう「ステップ気候」に似た気候だった可能性が高いそうです。

これまでの研究では、火星の気候は寒冷で、火星の北極や南極に相当する地域に氷床が存在しているというものでした。

しかし、近年の火星探査では、火星の気候が寒冷であるという仮定では 説明不可能な発見も報告されています。

今回の研究では、水が豊富に存在していた時代に火山が噴火していたと仮定し、噴火による大気への影響を考慮してシミュレーションしたところ、こうした探査結果と矛盾しない結果が出たそうです。

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火星が「温暖で半乾燥」の気候だった期間

また、今回のシミュレーションで再現された火星の「温暖で半乾燥」な気候は、数十万年から1000万年程度の期間であったと考えられています。

以前、NASAの火星探査車「キュリオシティ」によって火星のゲール・クレーターの堆積物を調査した結果からは、火星の温暖な期間が数百万年から数千万年ほど続いたとされており、今回の研究成果が示した期間と重なっています。

 

火星の特徴的な地形は津波の影響

太古の火星の表面には、ある程度の水が存在していたことは ほぼ確実だと考えられていますが、実は津波が発生していた可能性も指摘されています。

火星の北半球の平野には、直径約150キロメートルという巨大な「ロモノソフ・クレーター」があり、約35億年前の隕石の衝突によって生じたと考えられています。

そして、ロモノソフ・クレーターがある地域には かつて巨大な海が存在し、隕石が衝突した時に高さ約300メートルもの津波を起こした可能性があるというのです。

火星で見られる特徴的な地形は、こうした津波の影響で作り出されたものであると推察されています。

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隕石が衝突した時は海が存在していた

従来の研究では、火星は約37億年前から徐々に冷えていき、磁場の消失に伴う大規模な大気流出も発生し、大気を失ったことによって地表で水を保持することが不可能となり、比較的短期間で火星から水が消失したと考えられています。

しかし 一方で、火星の地表には10億年前まで水が豊富に存在していたことを示す証拠もいくつか発見されています。

火星の特徴的な地形を形成したのは 隕石の衝突によって生じた津波によるものであると考える フランス国立科学研究センターの研究チームは、火星で発見されたクレーターの中から、津波の発生源の可能性があるクレーターを10個選び、調査しました。

それらクレーターの大きさや位置と、以前に調査した津波堆積物の特徴を有する地形との位置関係を詳しく調べた結果、約35億年前の隕石の衝突によって生じた ロモノソフ・クレーターが津波の発生源として最も有力であることを突き止め、土地の形状の分析によって、隕石が衝突した時に水中にあったことが判明したのです。

この研究結果は、火星の北半球には数十億年前まで津波を引き起こすような海が広がっていたことを示唆するもので、今後の火星探査計画に大きな影響を与えるかもしれません。

 

消えた火星の水

火星の探査によって、その地表には大きな河川や海が存在していたことがわかる痕跡が発見されていることから、数十億年前まで火星には豊富な水が存在していたと推測されています。

これまでの定説では、地表から消えた豊富な水は永久凍土となって地下に存在していると言われていて、実際、火星の北極や南極に相当する地域では巨大な氷床が発見されています。

火星を地球のような環境に改造する「テラフォーミング」を行うには、まずは地下に眠る大量の氷を溶かして、火星を「水の惑星」に戻すことが必要となります。

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火星の水は消失している

このように、火星を「水の惑星」に戻すには、地下に眠る大量の氷を溶かす必要があるのですが、もしかしたら、この考え方は間違っているかもしれません。

実は、火星は地球よりも楕円で長い軌道で太陽を回っていることから、地球の時間で二年に一度夏が訪れる南半球は太陽に最接近する期間が長くなります。

この影響で水蒸気が局所的に大気圏の下層部から上層部へと運ばれ、水蒸気の一部の水分子が太陽光の紫外線照射を受けることで 水素とヒドロキシルラジカルに分解した後、水素が宇宙空間へ流出していることが、火星の水分の消失の原因となっているというのです。

更に、火星の夏に発生する砂嵐によって、このプロセスはより加速すると言います。

砂嵐の発生によって舞い上がった塵は太陽光を吸収して蓄熱、水蒸気の発生が激しくなるため、現時点では火星の水分消失を止める手段は無い上、既に火星にあった水の80%以上が水素となって宇宙空間に流出してしまっているそうです。

 

火星で人間が活動できる可能性

ただし、火星探査の報告は悲観的なものばかりという訳ではありません。例えば、火星の大気中からメタンが検出されていますが、このメタンの発生源がゲール・クレーターの凍結層である可能性が高いという調査結果も報告されています。

地球では微生物がメタンの重要な発生源になっていることを考えると、火星の地下に微生物が生存している可能性を示唆する証拠であると考えられます。

メタンは燃料としても利用可能ですから、火星の地下の凍結層からメタンが発生しているということは、火星で人間が活動する際、動力源の燃料として活用できるということになります。

 

いかがでしたか?
この他、NASAの火星探査車「キュリオシティ」が取得したゲール・クレーターの堆積物データから、火星のゲール・クレーターにかつて存在していた湖の水質が復元され、その塩分濃度やpHが生命の誕生と生存に適したものであったことも判明しているのです。今後、計画されている火星探査で得られるデータを元に水質などの復元が成功すれば、火星は生命体が存在可能な環境だったのか、可能だった場合はその環境が終焉を迎えた原因の究明ができるかもしれません。

参考 : elsi.jp, afpbb.com, astronomy.com, phys.org, など

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