アメリカ合衆国ハーバード大学所属の天文学科長であるエイブラハム・アヴィ・ローブ教授は、オウムアムアという恒星間天体が地球外生命体の手によって造られたものではないかと考え、研究し、論文を執筆しました。
オウムアムアという言葉は遠方からの最後の使者を表しており、ほかの天体と比較すると異様な見た目と動きをしているため、天文学者から注目を集めています。
そこで今回は、オウムアムアという恒星間天体の謎についてご紹介いたします。
オウムアムアの注目すべき特徴
オウムアムアは2017年10月のアメリカ合衆国ハワイ州に位置するマウイ島の天文台によって発見された恒星間天体です。
そんなオウムアムアが天文学者から注目を集めているのには、いくつかの理由があります。
1つめの理由は、オウムアムアが細長い葉巻のような形をしていることです。
このような細長い形をしている天体はなく、天文学者たちはなぜこのような細長い形であるのか疑問を感じているといいます。
2つめの理由は、オウムアムアが初めて発見された恒星間天体であることです。
オウムアムアは太陽系の外から飛んできたあと、太陽系の外に戻っていきました。
3つめの理由は、オウムアムアの表面が従来の彗星や小惑星の10倍以上の輝きを放っていることです。
エイブラハム・アヴィ・ローブ教授は、この輝きを光沢のある金属のようだと例えています。
オウムアムアはスピードアップし続けた
このように、オウムアムアにはほかの天体と異なる点が複数ありますが、エイブラハム・アヴィ・ローブ教授が特に注目したのはオウムアムアのスピードについてです。
オウムアムアは25光年もの距離があるベガの方角から太陽系へ向かって進んでいき、2017年の9月6日に太陽系の軌道面とされている場所へ近づきました。
このとき、ほかの天体であれば太陽系に接近すると重力によってスピードアップし、太陽系が遠くなるとスピードダウンするのがデフォルトです。
しかし、オウムアムアは太陽系から遠くなっても、スピードアップし続けました。
オウムアムアが彗星ではない可能性
オウムアムアははじめ、彗星ではないかと推測されていました。
彗星は太陽系に近づく際、凍結したガスが加温されることによって気化します。
それがジェットエンジンのような役割を果たすことで、太陽系との距離が遠くなったときにスピードアップする現象が発生するためです。このとき彗星は、尾をひきます。
しかしエイブラハム・アヴィ・ローブ教授は、オウムアムアが彗星である可能性は4億分の1であることを研究によって突き止めました。
さらに、オウムアムアには彗星の特徴として挙げられる尾がなかったことが明らかになりました。
エイブラハム・アヴィ・ローブ教授は「洞窟の中で暮らす古代の人々が初めて携帯電話を見た場合、どのような反応を示すでしょうか?
岩に囲まれた生活をしていますから、携帯電話のことを輝く岩だと認識するかもしれません」と語っています。
つまり、安易に彗星であると判断することは適切ではないということです。
オウムアムアはライトセイルによってスピードアップしている?
エイブラハム・アヴィ・ローブ教授は、オウムアムアはライトセイルという宇宙帆船によってスピードアップしているのではないかと考えました。
ライトセイルの仕組みは既に地球上でもつくられており、宇宙空間に投げ出された反射シートが太陽から放出される粒子をキャッチします。それによって宇宙空間内をものすごいスピードで進むことができるのです。
また、オウムアムアは葉巻のような形ではなく、円盤のような形をしていることが判明しました。
エイブラハム・アヴィ・ローブ教授は、オウムアムアが円盤のような形をしているのであれば、太陽系に近づいた際にスピードアップするのも理解可能であると主張しています。
オウムアムアという恒星間天体の謎についてご紹介しました。エイブラハム・アヴィ・ローブ教授は、地球以外にも宇宙には高度な文明を保持している知的生命体がいるかもしれないと語っています。宇宙はとてつもなく広い上に膨張し続けていますから、人間と同等レベルの文明を持つ宇宙人がいてもおかしくないかもしれません。
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