「無人島に行くなら、何を持っていく?」このような質問に対する回答を、皆さんも一度は考えたことがあるのではないでしょうか?
しかし、宇宙進出に関する技術が進んでいる現代、これからは「宇宙に行くなら、何を持っていく?」という質問になるのかもしれません。
今回は、月や火星などの宇宙での生活の基盤を支えるために欠かせない、7つのアイテムをお伝えしたいと思います。
大気
地球人にとって最も大切なものと言っても過言ではないものといえば、大気です。大気を生成するためには、人間だけでは到底成り立ちません。
地球の大気中に存在している酸素の80%近くは、藻類や細菌によって生産されています。つまり、彼らが宇宙空間でも地球と同じように酸素をつくることができれば、地球と似た環境の完成にまた一歩近づくのです。
そこで、NASAとTechshot(テックショット)と合同でのプロジェクトとして、火星の土壌環境を設けての検証を実施しています。
これが本格的に成功すると、火星での生活の実現可能性は上がることになりますので、その点ではかなり注目されているプロジェクトと言えるでしょう。
膨張式住居
やはり生活する上で重要なのは、衣食住です。まずは住を確保してから、生活の基盤を作ることになるでしょう。そこでキーになってくるのが、「膨張式住居」です。
ここ30年程、宇宙での住居として、この膨張式住居が適していると考えられています。
デザインはいくつかありますが、現状からすると、形状記憶ポリマーを使用する可能性が高いのではないでしょうか?
その理由としては、地球で形状記憶のみさせて宇宙に運び、到着したら広げるだけで元の形になるという優れものなのです。
電力
次に必要なのは、宇宙の土地を開発するための人手です。と言っても、危険が満載かもしれない場所で、まだ十分に開拓も進んでいない場所で人類が活動するには少々リスクが伴います。
そのため、ロボット等に宇宙で働いてもらう必要があります。ロボットが動く源にもなる電力を宇宙でも供給できる環境にしなければなりません。
太陽が当たるような場所であれば、太陽光発電もできますが、火星では十分な発電が期待できません。そのため、NASAは核分裂を利用した発電システムを宇宙でも作ろうと考えているようです。
自律ロボット
電力が確保されたら、いよいよロボットの出番です。今のところ、自律ロボットは人類の到着の前から、環境を整えるために働いてくれる可能性が高いです。
地表の探査から土地成形まで幅広く対応してくれることでしょう。彼らのおかげで、人類が到着する頃には、かなり環境が整備されていることが期待できます。
高性能減水剤
高性能減水剤は、先程ご紹介した膨張式住居の保護にも使える素材です。
建物を作る際に必要となる素材を全て地球からもっていってしまうと、かなりのコストがかかってしまうところですが、惑星や月の表面から採取して作る素材、レゴリスで出来た高性能減水剤に目を付けたということです。
現地で調達できる物質で作れる素材は、かなり重宝されることでしょう。
尿素
建築材に使える物質は、レゴリスだけではありません。なんと、その場にいる私たち人間の排泄物までも使用してしまおうというのです。
尿に含まれる尿素によって、より扱いやすい素材を生み出すことが出来、3Dプリンターの用途が広がるのです。
確かに、現地に行っている人間が排出し続けるものから何かを生み出せるというのは、大変ありがたい技術といえます。
農業
長期的な生活で重要になってくるもの、それは食糧でしょう。短期間の滞在であれば、積んでいった食糧だけでも足りるかもしれませんが、そこで長期的に過ごすとなると、食糧確保がかなり厳しい課題となります。
料理のレパートリーにこだわらなければ、宇宙でも食糧は生み出せます。
月や火星の土で、トマトや小麦は発育することができるとわかっていますので「食にこだわりはない」という方であれば、生きていけるのかもしれません。
宇宙での生活がそう遠くない今だからこそ、「何を持って行くべきなのか」を考える機会が必要なのかもしれません。地球を発つ その日に必要なものは持って行けるように、今からシミュレーションをしてみましょう。
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