「エリア51」は、アメリカのネバダ州レイチェルにあるアメリカ空軍ネリス試験訓練場内に存在している、世界的に有名な区画です。
2013年にアメリカ・ホワイトハウスが正式にその存在を認めるまで、最高機密として扱われていたその場所は極秘の実験施設とも言われていて、地球外知的生命体が存在しているとか、地球外からもたらされたオーバーテクノロジーについて実験しているなどと噂されていました。
結論としては、アメリカ軍が開発した「U-2偵察機」の試験場ということになっていますが、「エリア51」に関する全情報が公開されたわけではないため、未だに陰謀論者たちは「エリア51」が地球外知的生命体に関する極秘の施設だと信じているようです。
今回は、秘密のベールに包まれた「エリア51」に関する8つの仮説を紹介します。
「UFO開発・研究施設」という仮説
「エリア51」に関する最も有名で最大の噂と言えば、1947年にニューメキシコ州ロズウェルでUFOが墜落し、アメリカ軍がUFOの部品や地球外生命体の遺体を回収したというものです。
アメリカ軍は、取り敢えずこの噂を打ち消すために、墜落・回収したものは単なる偵察用の気球だと主張しましたが、この程度で噂を打ち消すことができるはずもありませんでした。
それどころか、付近ではUFOの目撃情報がいくつも報告されるようになり、やがて「エリア51」の格納庫では回収したUFOを科学者が分析し、機体を再現するための研究をしているという噂や、回収した地球外知的生命体の遺体や生きた状態で捕らえた地球外知的生命体について調査・研究しているという噂などが広く知られるようになりました。
しかし、あくまでもこれらは噂であり、真実であることを裏付ける写真が撮影できてはいないのです。ところが1989年に、物理学者のボブ・ラザー博士がパプース湖辺りにある「エリア51」内の研究施設S-4でアメリカ政府が所有しているUFOを分析する仕事をしていたと主張したのです。
また、ブルース・バージェスという技師も、1950年代に「エリア51」で墜落したUFOを基にした「空飛ぶ円盤シミュレーター」の開発を行っていたと主張しています。
「世界を陰で操る秘密組織の本拠地」という仮説
「エリア51」は、世界を陰で操る秘密組織「マジェスティック12」の本拠地であるという、奇妙な噂もあります。「マジェスティック12」は、UFOの回収だけでなく、宇宙人に関する調査や宇宙人との接触、交渉を目的として、1947年にトルーマン大統領によって組織されたものだと言われています。
この噂は、1984年に出回った「政府極秘資料」が元ですが、この「極秘資料」についてはFBIが「完全な偽物」と結論付けています。
「タイムトラベル機の開発施設」という仮説
「エリア51」が高度な未来の技術「タイムトラベル機」の開発施設という仮説もあります。アメリカ海兵隊のトップパイロットであったロバート・ミラー氏によると、28歳の時、「エリア51」でUFOのテストパイロットになるという極秘任務を与えられたと言います。
そして「エリア51」で見たUFOは、1947年の「ロズウェル事件」で回収したUFOを再現した機体で、反物質リアクターを動力源とし、ワームホールを生成することで光速に近い速度での飛行を可能にしているということでした。
そしてミラー氏はUFOに乗り込み、試験飛行を行ったのですが、その途中で忽然と消失し、十数時間先の未来に「タイムトラベル」したそうです。
「巨大な地下基地」という仮説
「エリア51」に関する噂は数多くありますが、極秘とされる活動の大半は広大な地下施設で遂行されていることから、巨大な地下基地が存在すると考えられています。
実際、「エリア51」の航空写真では、格納庫などの空軍施設がまばらに建ち並び、長い滑走路とグルーム乾燥湖が広がっているだけで、巨大な施設が存在するとは想像もできません。
ただ、この閑散とした風景が、かえって「エリア51」の重要な部分のほとんどがネバダ砂漠の地下にあるのという仮説に真実味を持たせているのかもしれません。
また、ネバダ州の東 ユタ州にある「ダグウェイ実験場」にも地下基地「エリア52」があると言われています。
「エネルギー兵器の開発・実験施設」という仮説
「エリア51」は、高性能なエネルギー兵器の開発・実験施設であるため、他国のスパイなどを徹底的に排除するため機密が厳重となっているという説があります。
高性能なエネルギー兵器とは、放射線やマイクロ波、レーザー、電波を扱う類の物で、自動車やドローン、スマートフォンなどの電子機器を使用不能にするものなので、これら兵器の実験について隠蔽したいと考えるのは至極当然だと言えます。
「テレポーテーション研究所」という仮説
古典的な情報伝達手段と量子もつれの効果を利用して離れた場所に量子状態を転送する量子テレポーテーションなら既に成功しています。
「エリア51」は、物体や人間の体を離れた場所に瞬間的に移動させるマクロレベルのテレポーテーション研究所であるという噂もあるのです。
戦略偵察機「オーロラ」の実験場という仮説
「SR-91オーロラ」とは、1980年代にアメリカ軍が極秘に開発していると噂された戦略偵察機ですが、確たる証拠は得られておらず、アメリカ政府もその存在を一貫して否定しています。
ただ、1985年に「オーロラ計画」という名称で巨額の予算申請がなされていたり、1990年前後に耳をつんざくようなソニックブームが多発したりしていたことから、極超音速飛行が可能な機体の開発が噂されていたようです。
そして2013年、「エリア51」の公式文書で、冷戦期の対ソ連向けの監視を目的とした高高度戦術偵察機「U-2」の試験場であることが明かされたのです。
ただ、この「U-2」の試験飛行が高度18000メートルで行われていたため、民間航空機のパイロットから見れば、有人飛行が不可能と考えられていた高度で太陽の光を反射しながら飛行する偵察機をUFOと誤認した可能性が高く、ネバダ州の砂漠地帯上空で多発していたUFOの目撃情報の多くは「U-2」だったのかもしれません。
「気象操作実験場」という仮説
気象を操作し、敵国に人工的に雨を降らせたり、台風やハリケーン、竜巻を起こしたりという話は、非現実的に聞こえるかもしれませんが「気象兵器」としての脅威は1978年に国連会議にて「環境改変兵器禁止条約」が発行されるほど深刻に受け止められています。
「エリア51」が数十年間にわたり存在すら否定されるほど極秘扱いされ、今なお厳重に警戒されているのには、気象操作技術の実験場として最適だからだとも言われています。
ネバダ砂漠のど真ん中にある「エリア51」は、人口の多い場所から隔離されていることはもちろん、ほかにも極秘裏に実験や訓練を行うには都合のいい条件が揃っている場所であることは確かです。例えば、乾燥した気候は試験飛行に最適であり、変化に富んだ地形は兵器実験場として最大限活用できるはずです。2013年に機密文書が公開され、秘密にされていた部分が明らかになってきましたが、これまで沈黙が貫かれてきた理由に関しては納得のいく説明がなされていないのも事実です。アメリカ政府は冷戦時代の軍用基地であると説明していますが、様々な仮説が噂されていることからも、実に不可解な場所だと言えます。「エリア51」で起きていたことが、すべて白日の下に晒される日は来るのでしょうか?
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