宇宙の中で、地球に一番近くて馴染みの深い天体である月は、私たち地球人にとって太陽の次に重要な星だと言えます。
月に関しては様々な逸話や仮説がありますが、インターネットの中にはにわかには信じ難い陰謀説や都市伝説などが語られていて、中には「月が存在しない時代」について語っているものもあるようです。
私たちは、身近にありながら謎に包まれ、神秘的な魅力溢れる月に惹き付けられているからこそ、月に関する謎を解明したいという願望が、より一層 妄想を膨らませ、摩訶不思議な説を生み出してしまっているようです。
今回は、月が持つ不可思議な特徴とそれにまつわる陰謀論をご紹介いたします。
月は知的生命体が作った物
地球では、月が太陽を覆い隠す皆既日食が観察されることがありますが、実はこれはかなり珍しい現象で、地球の月は皆既日食を起こす唯一の衛星だそうです。
この皆既日食が観察されるには、太陽と月のそれぞれの大きさと地球との距離が重要な要素であると言います。
実際、月は地球の約4分の1の大きさで、月の直径は太陽の直径の400分の1、月と地球との距離が月と太陽との距離の400分の1、さらに月は円軌道で地球の周りを周回しています。
この太陽と月のそれぞれの大きさと位置が理想通りになることが天文学的レベルの確率の低さゆえに、月は知的生命体が作った物であるという陰謀論があるのです。
月の内部は空洞
カール・セーガン博士は、1966年に発表した科学論文「宇宙の知的生命体」で、「自然にできた衛星が空洞の物体であるはずがない」と述べていたため、1969年11月20日、月面に設置された高感度地震計が、アポロ12号の月面着陸装置が任務を終えて月に衝突した時の振動を55分間にわたって計測したことはNASAの科学者たちを大いに驚かせたようです。
この長時間にわたる月震波の計測データが正しければ、月は空洞の球体ということになるのです。
しかも、アポロ12号の経験だけが特異的なものという訳ではなく、その後、アポロ13号の不要になった第三段目のブースターを月に激突させた時、TNT火薬11トン分の爆発に等しい衝撃を月面に与えた結果、月全体が3時間20分以上も振動したそうです。
ただ、NASAは月が空洞である可能性について重要視していないようで、更なる調査が行われたという事実は公表されてはいません。
月のクレーターは浅い
月の表面には、隕石の衝突痕である無数のクレーターが存在していますが、直径80kmほどのクレーターで、深さ3km足らずという、あまりにも浅いことに疑問を感じている研究者が多くいます。
ただ、月のクレーターが浅いということは、月は知的生命体が作った物であると主張する者や月の内部が空洞であると主張する者にとって、それぞれの主張を裏付ける証拠の1つとなるそうです。
彼らによると、月面の下には金属製の筐体(きょうたい)があり、隕石が衝突する時の衝撃を吸収・分散させるために、クレーターは浅くなるそうです。
月面に存在する人工構造物
月面に人工構造物に見えるものが存在している画像がいくつもありますが、きちんとした証拠はほとんど無い上、NASAは画像が不鮮明なために誘発された錯覚だと述べています。
しかし、実際のNASAの画像「LO-III-84-M」には「破片」と名付けられた構造物が写っていて、この構造物からは影が伸びていることから、UFOマニアは錯覚ではないと主張しています。
この他、「破片」から比較的近い場所に「塔」と名付けられた構造物があるのですが、これは高さが11キロメートルあると推定されています。
仮に本当に構造物であるならば、地球上に存在するあらゆるものよりも高いことになり、重力の弱い環境を活用する時の参考になるかもしれません。
月は地球を安定させるための建造物
もし、月が無かったら、地球上に生命が誕生しなかった可能性もあると言います。月が、地球の極地や海洋を安定させ、季節を生み出し、生命を繁栄させたと言えるのです。
一方で、月が空に存在していない時代について記録した古代の文献があるそうです。
にわかには信じられない話ではありますが、もしかすると月は地球を安定させるための建造物で、今の軌道に運ばれた物である可能性も考えられるのではないでしょうか?
月を作ったのは地球外知的生命体
前の章で「月は地球を安定させるための建造物」という説を紹介しましたが、もし月を作ったのが地球に存在していた高度な古代文明でないのであれば、月を作り得たのは地球外知的生命体であるという説も存在します。
しかし、地球外知的生命体が地球にそれほどの関心を持っていることも不思議だと思いませんか?
月が存在しない時代を伝える古代の文献
月が存在しない時代について伝える古代の文献がいくつかあり、それらの内容について言及する学者も多くいます。
例えば「地球の上空に月が存在する以前、大地は支配されていた」と述べたのはアリストテレス、「すべてのオーブが天上にまだなかった頃」について記したのはロドスのアポローニオスでした。
コロンビアのムイスカ族の口承には「最初の時代、天に月はなかった」という一節がありますが、これはアポローニオスが残した記述に似ています。
さらに、ズールー族の伝承には「月は宇宙の遥か彼方から引っ張って運ばれてきた」という興味深い言葉もあります。
また、こうした記述や伝承の多くは、月が地球の周りの軌道に乗る前には、人々の混乱や動乱が凄まじかったことも伝えています。
月の裏側に秘密基地
月は、地球に対して同じ面を向けていて、その「裏側」を見せていないように見えます。
これは月が自転していないからではなく、月が地球を回る公転周期が27.3日、月の自転周期が27日と、ほぼ同一の周期のため、地球から見たとき いつも同じ面を向いているように見えるのです。
陰謀論的に考えると、常に地球からは見えない「裏側」があれば、そこに秘密基地を作り、極秘活動を行うということになるのかもしれませんが、すでにNASAは月の裏側の撮影に成功しています。
アレックス・コリアーの「アンドロメダからの手紙」
作家のアレックス・コリアー氏は、月の真実とされる話を宇宙人からテレパシーで受信したとして、「アンドロメダからの手紙」という著書を出版しました。
著書の内容によると、月は、初代人類、レプティリアン、ヒト・レプティリアンの混血を乗せ、数百万年前に地球にやってきた巨大な宇宙船で、表面には秘密の入り口が複数あり、その内部は空洞で「金属製筐体」があるそうです。
さらに、113,000年前に勃発した大戦争で犠牲となった宇宙人の遺体が、月内部の古代基地に残されていて、その基地は現在、地球の秘密政府が制圧し、宇宙人と共同作業を行なっているそうです。
中国の宇宙博士が主張する月の基地
月に基地があると主張する人物はアレックス・コリアー氏だけではありません。
最近では、中国の宇宙開発機関「中国国家航天局」で有人宇宙飛行計画を担うマイケル・サラ博士が「月には基地が存在する」と発信しています。
彼によると、その基地は私たち地球人と並行して月面で活動している地球外知的生命体による軍事産業による物である可能性が高いと言います。
しかもNASAはその事実を隠蔽するため、基地と「古代の遺物と施設」を破壊するために意図的に月の重要な地域を爆撃しているそうです。
アポロ計画以来、有人着陸が行われていない月は、神秘的な魅力に満ち溢れているため、陰謀論者にとっても妄想するのにはうってつけのターゲットとなっています。いずれ有人宇宙飛行が一般的になった時には、宇宙旅行プランの一つとして、火星に行く前に月を探索するというのもアリかもしれません。
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