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動物を組み合わせてキメラを作り出す実験 ~遺伝子改造の歴史~

動物を組み合わせてキメラを作り出す実験 ~遺伝子改造の歴史~ 科学
動物を組み合わせてキメラを作り出す実験 ~遺伝子改造の歴史~

 

現在、世界中の研究施設がキメラを作り出す実験に乗り出しています。キメラとは、異なる動物の遺伝子を合わせ持つ個体のことで、現在は人間と他の動物を組み合わせる実験が盛んに行われています。

このような実験は倫理的な問題を抱えているため科学上の禁忌とされていますが、もしキメラ作成が実現すれば他の動物からの臓器移植も可能になります。

人間とそれ以外の動物の違いはそこまで明確ではないものです。もしかすると、人間のような自我と思考回路を持った動物が誕生することもあるかもしれません。

 

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ウサギ×人間

人間と他の動物を組み合わせるキメラの実験に初めて成功したのは、中国の上海にある研究施設でした。人間の細胞をウサギの卵子に注入することで、人間とウサギの遺伝子を半分ずつ持つキメラの胚が作られたのです。

アメリカでも同様の実験が行われていましたが、成功することはありませんでした。その実験を成功させたのは上海の施設が初めてです。

ウサギの卵子の中で人間の遺伝子を持った細胞が成長したという点で、非常に興味深い実験でしたが、最終的にはほぼ人間のような生物になってしまいました。

研究者たちは、完成した胚の成長を数日間は見守った後、破壊して胚性幹細胞を作り出すために使用したといいます。

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チンパンジー×人間

ヒューマンジーというキャッチーな名前を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。これは、中国の研究者が作ろうとした、チンパンジーと人間を組み合わせたキメラです。

大容量の脳と高い会話能力を持った、より人間に近いチンパンジーを作り出すことが目的でした。まず、メスのチンパンジーを人間の精子で妊娠させることには成功しました。

しかし妊娠3ヶ月のころ、中国で起こった文化大革命の混乱の中で、ヒューマンジーの研究を行っていた施設が襲撃されました。

妊娠していたチンパンジーも襲われ、ヒューマンジーを出産することなく死んでしまったそうです。

とはいえ、ヒューマンジーはもともと動物実験や家畜の飼育、乗り物の運転などに利用される予定だったので、もし無事に生まれていてもひどい扱いを受けたはずです。

その後も同様の研究が再度行われましたが、成功事例は報告されていません。時代の流れとともに世間の風当たりが強まり、倫理的な問題を孕むこの研究を堂々と続けていくことが難しくなったのでしょう。

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ブタ×人間

アメリカのとある病院は、ブタの胎児に人間の細胞を注入することで、身体に流れている血のの半分以上が人間の血であるブタを開発することに成功しました。

この研究の目的は、ブタと人間の細胞を融合させたときにどのような作用が生じるかを調べることでした。

結論として、一部は融合して新しいDNAになりますが、結合せずに純粋な人間の細胞と純粋なブタの細胞として、そのまま残るものもあるということがわかりました。

出来上がったキメラは外見こそただのブタでしたが、体内には確かに人間由来の細胞が存在していました。

ヤギ×人間

ヨーロッパの研究者たちがヤギ遺伝子を組み換えて、人間の母乳を出すヤギを作るという研究に成功しました。

このヤギが出すミルクは母乳と完全に一致するものではありませんでしたが、最終的に成分の60%がラクトフェリンとリゾチームである、人間の母乳に極めて近い性質を持ったミルクを出せるヤギが完成しました。

また、中国の研究者は遺伝子を組み換えた牛を利用して、同様の研究に成功しています。牛乳と同じように、小売店で買える母乳を作ることが目標でした。

当初の計画では2014年に販売を開始する予定でしたが、あまり世間の反応が良くなかったため延期されました。現在は販売開始に向けたPR活動が行われているようです。

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マウス×人間の肝臓

アメリカの研究所で、人間の肝臓を持つマウスが作られました。このマウスは、B型・C型肝炎やマラリアなどの感染症の正体を研究するための実験動物です。

これらの感染症は、人間以外の動物にはほとんど見られないため、これまでの研究には人間とほぼ同じDNAを持つチンパンジーが使われていました。

しかし、倫理的な懸念が強まったことで、このような実験用マウスが作られたのです。このマウスは、感染症にかかっては治療されるという生涯を送りました。本当に倫理にかなった研究方法はまだ模索されている途中です。

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マウス×人間の耳

マサチューセッツ工科大学とハーバード大学の研究者が、人間の耳を持つマウスを完成させました。驚いたことに、そのマウスは背中に人間の耳が付いているのです。

人間の耳を生分解性素材で再現したものをマウスの身体に入れたところ、徐々にその「耳」はマウスに吸収され、最終的には筋肉と軟骨から成る本物の耳になったといいます。

背中に耳が付いているという衝撃的なビジュアルから、このマウスはインターネット上で「恐怖画像」や、「遺伝子操作の象徴」として拡散されました。

この研究の本来の目的は、マウスの身体で作られた耳を切り取って人間に移植することでした。批判も多く集まりましたが、耳を失って苦労している人のための医療技術としては非常に有用な研究です。

研究は人体での臨床試験に進む前の段階で、経済的な理由からストップしてしまいました。あと数億円の資金を投入すれば、マウスを使用した耳の培養は成功するだろうといわれています。

マウス×人間の脳

マウスの細胞のうち、脳細胞のほとんどすべてを人間の細胞と入れ替えるという研究が行われました。

すると、わずか1年足らずで人間の脳細胞がマウスの神経膠細胞(シンケイコウサイボウ)に取って代わり、1匹のマウスの身体の中で1000万個を超える人間の細胞が活動する状態になりました。

人間の細胞に脳を乗っ取られたこのマウスに対して、数々の凄惨(せいさん)な実験が行われました。例えば、マウスの記憶力を試す実験です。

まずマウスにノイズを与え、その直後に電気ショックを与えました。次にノイズだけを与えて、マウスが反応するまでにかかった時間を調べたのです。

すると、人間の脳細胞を移植されたマウスは、通常のマウスに比べて4倍もの記憶力があることがわかりました。

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サル×人間の脳

人間の脳細胞を動物に移植するという実験でマウスが用いられたのは、人道的な配慮からでした。しかし、ある研究者はその配慮を忘れ、同様の実験をサルで行ったのです。

パーキンソン病に関する研究のために、5匹のサルに人間の細胞が注入されました。実験体となったサルは、5匹ともパーキンソン病を患っていましたが、人間の細胞を注入されるとその症状が軽減されたそうです。

食事や歩行などの基本動作が改善され、震えなどの症状も小さくなりました。深刻な副作用も確認されなかったため、この実験はパーキンソン病の治療法開発に大きく貢献したといえます。

 

いかがでしたか?
遺伝子や細胞の操作に関する研究はこれまでの生物の限界を突破し、医療や科学などのさまざまな分野に飛躍的な進歩をもたらすでしょう。しかし、遺伝子や細胞を操作するということは、その生物の根幹を変えてしまうということになります。このような操作がどれだけ行われたら、生物がその生物でなくなってしまうのでしょうか。また、人間を人間たらしめる所以(ゆえん)はどこにあるのでしょうか。このような議論が今後ますます活発になっていくでしょう。

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