生命が暮らすことのできる惑星は、現在私たちが住んでいる地球のみだといわれています。
なぜなら、地球以外の惑星は有毒なガスで覆われていたり、惑星の表面が高温であったりするなど、生命の居住には適さない惑星が多く存在するためです。
しかし、研究者や有識者は火星への居住計画のように宇宙移民構想を練り、地球のように生命が暮らすことのできる惑星について研究や調査を重ねています。
そこで今回は、新たに見つかった生命が住めるかもしれない惑星について ご紹介していきたいと思います。
生命が住める惑星ってどんな惑星?
生命が暮らすことのできる地球外の惑星は、ごく僅かです。生命が生存するためには水が必要です。
さらには、水を液体のまま保存しておくことのできる環境も必須です。
水を液体のまま保存するには、適切な距離の軌道を周る惑星でなければなりません。
天の川銀河には、未確認の惑星を含め、地球に類似した惑星が1000億個以上あると推測されています。
しかし、その中でも確証のある惑星は4000個のみだといわれています。
さらに、系外惑星のほとんどが、水を液体のまま保存することのできるような環境ではないことが分かっています。
液体の水を保存できない環境
生命が生存できるとされている宇宙の領域のことを、ハビタブルゾーンといいます。
ハビタブルゾーンに存在する惑星の多くは、不安定な赤色矮星の周辺を回っています。
赤色矮星とは、矮星の中でも表面温度が低く、サイズもほかの矮星と比べて小さい恒星のことで、赤外線を放っているのが特徴です。
さらに、高エネルギーのフレアが周辺の星を燃焼させてしまうこともあるようです。
太陽と類似した恒星の周辺を回る太陽系外惑星も地球よりも巨大な惑星が多く、サイズは海王星と同程度だといわれています。
海王星は地球のおよそ4倍にも及ぶとされているため、かなり大きいことが分かります。
このような巨大な惑星は、大気中に水素を保存する性質を持っているため、残念ながら水を液体のまま保存することはできません。
地球と太陽に類似しているKOI-456.04
そんな中、NASAのケプラー望遠鏡が過去に観測した情報により、KOI-456.04という惑星の研究が実施されました。
ケプラー望遠鏡は2018年10月以降使われておらず、現在も使用されていませんが、過去の情報をもとに調査が行われたようです。
その後、研究はケプラー望遠鏡からトランジット系外惑星探索衛星、通称TESSへ引き継がれるようになりました。
研究によると、KOI-456.04は地球の2倍以下のサイズであるため、大気中に含まれる成分が地球と類似しているのではないかといわれています。
また、公転する星のサイズは太陽の1.1倍であり、太陽が放つ可視光線を放っていることが分かっています。
さらに、公転する星の表面温度はおよそ5200度で太陽との差異は300度ほどしかなく、KOI-456.04自体の表面温度は5度程度で、その公転する星の関係性は、地球と太陽の関係と非常に類似している可能性があることが判明しました。
KOI-456.04とこれからの研究
KOI-456.04と太陽系の距離はおよそ3000光年であるといわれています。
一見とてつもなく遠いように思えますが、ほかの星と比べればさほど距離はありません。
そのため、比較的調査も実施しやすいといえるでしょう。
2021年に、欧州宇宙機関やアメリカ航空宇宙局、カナダ宇宙庁といった研究機関は、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による調査を実施しようとしています。
また、欧州宇宙機関は2026年に宇宙望遠鏡 PLATOによる調査を行おうとしており、地球と太陽に類似した環境の惑星を探す計画を立てています。
生命が暮らすことのできるかもしれない惑星、KOI-456.04についてご紹介しました。今回ご紹介したKOI-456.04の特徴はごく一部であり、分からない点や研究を行うべき点が残されています。しかし、そう遠くない未来に、私たち人間が地球以外の惑星に住まうことのできる日がやってくるかもしれません。そのときには私たちは既に亡くなっているかもしれませんが、私たちの子孫が地球外の惑星に住む可能性について考えると、とてもロマンティックに思えてくるものです。
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