現代の私たちの生活は、化石燃料がなければ成り立ちません。
しかし、化石燃料には限りがあり、長くても100年ほどでほとんどの化石燃料を使いつくしてしまう可能性があります。
つまり、どのやって化石燃料とうまく付き合っていくのかが、重要な課題となっています。
化石燃料以外にも、たくさんのエネルギーを活用する方法自体は開発されています。
そこで、問題として浮き彫りになってくるのが、パワーです。
化石燃料は生み出されるパワーが大きく、他のエネルギーと比べて安定して供給されます。
例えば、太陽光エネルギーが注目されていますが、太陽光で町全体が使うエネルギーを生み出すことは難しいですし、曇りの日にはエネルギーを生み出す事自体が難しくなります。
そのような状況を打破するような、新型マイクロ波プラズマ推進器が、今注目されています。
今までのプラズマ推進器
ソーラーエネルギーが原動力となるプラズマ推進器は、今までにも存在していました。
その技術は宇宙船にも活用されており、実用化まで進められています。
しかし、その技術は宇宙空間でのみ適応であり、地球のようなあらゆる力が働いている空間では実用的ではありませんでした。
そのような状況で、中国の武漢大学の研究チームが、新たなマイクロ波プラズマ推進器を開発したと発表しました。
武漢大学は国立大学で、国内で最も歴史がある学校の1つです。
特に研究・開発にはかなり力が入れられており、国内ではトップクラスの成果を出しています。
その武漢大学が開発した新型プラズマ推進器についてご紹介します。
新型マイクロ波プラズマ推進器
今回ご紹介する新しいプラズマ推進器は、空気と電気だけで動きます。
空気をイオン化することでできたプラズマを使うのですが、プラズマの熱と圧力を限界まで高めることに挑戦した装置を、武漢大学の研究チームが公表したのです。
つまり、化石燃料を使わずにエネルギーを産出するということなのですが、驚くのは生み出されるパワーです。
理論上では、ジェットエンジンに匹敵するほどのパワーを生み出します。
ということは、航空機も化石燃料なしで飛べる日がくるかもしれないのです。
実際に、一般的な圧力計では計測できないほどのパワーが生み出されているので、他のエネルギー産出方法と比べても注目されるのも納得です。
空気と電気なので、天気などの人間の手で操作できないものに頼るわけでもないですし、安定したエネルギー獲得につながるのです。
この新型プラズマ推進器は、実際に使われる可能性は高いのでしょうか。
気になる実用性
実は、現段階はプロトタイプで、まだ実用化されてはいません。
その理由は、“実際のパワー”にあります。
実験データと、実用化に向けた製品のパワーには大きな差があり、想定していたほどの威力はなかったことがわかったのです。
そもそも公表された研究論文自体、最大の出力がどの程度なのかは書かれておらず、はっきりしていない部分も大きいので、判断する材料が揃っていないようにも思われます。
もちろん、まだまだ実験・改良を重ねる段階なので、これから実用化に向けて性能はあがっていくでしょう。
ただ、化石燃料のエネルギー効率を考えると、まだまだその座に取って代わることは難しいように思います。
ほとんどの化石燃料が使いつくされてしまうまでに後100年と、期限が迫っているようでまだ余裕がある今だからこそ、開発に尽力するべきだといえるでしょう。
たくさんの研究によって、化石燃料を使わずに強力なパワーを発揮するエンジンが実現しようとしています。 まだまだ追究すべきことはありますが、化石燃料を節約する、地球に優しいエンジンを使える日が楽しみです。
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