私たち地球人の、宇宙への興味関心は昔から変わることはありません。
特に、太陽系惑星の「水金地火木土天海」に関しては、多くの研究がなされていました。
しかし、今までにたくさんの研究がなされていたにも関わらず、明らかになっていないことも、多数存在しています。
その明らかになっていなかったことの1つが、今回新しく研究されて明るみに出ました。
今回の研究結果は、火星の過去に関するものです。
明らかになった研究結果をご紹介する前に、まずはどのようなことがきっかけで、火星の過去の一部が明らかになったのかをご説明いたします。
隕石の謎
地球には、いくつかの星からの隕石が、長い歴史の中で降ってきています。
その中には、もちろん火星からの隕石もあります。
研究者たちは、火星の歴史を知るために、火星からの隕石に注目することにしました。
しかし、ただ隕石を観察するだけではありません。
今までに降ってきた2つの隕石を、解析して比較したのです。
1つ目の隕石は、アランヒルズ(ALH)84001と呼ばれるもので、特に有名な火星隕石の1つです。
かなり巨大な隕石で、その重さはなんと1.9㎏。45億年まえに火星の溶岩から生成されたものと考えられ、これは火星とほぼ同年代です。
2つ目の隕石は、ノースウエストアフリカ(NWA)7034と呼ばれ、ブラックビューティーという異名を持つ隕石です。
1つ目のアランヒルズ84001と比べるとかなり小さい隕石で、320gほどしかありません。
この隕石は、約21億年前に急冷された溶岩から形成されたと推定されています。
ノースウエストアフリカ7034も有名な隕石なのですが、その理由は、今までの火星隕石とは組成が異なっているのです。
隕石の解析
この2つの隕石を解析し、組成が異なっていることは、どのようなことを意味するのでしょうか?
実は、この隕石のどちらも、火星の地殻由来のものだということはわかっているのです。
それらの組成が違う、つまり、火星には性質の異なる地殻があるということなのです。
研究者たちはこの結果と、今までの収集した火星探査機のデータを組み合わせて分析を行いました。
その結果、地殻が長年変化していないことが明らかになりました。
これは稀なことで、研究者たちの関心を強く惹きました。
火星のマントル
地殻の下にはマントルというものがありますが、そのマントルが由来の火星隕石についても、今回の研究チームは分析しています。その結果、2種類の隕石が発見されたのです。
つまり、マントルが少なくとも2つ以上は存在しているのではないかと考えることができます。この結果から、火星の過去を推測することができます。
本研究から推測される過去
火星のマントル・地殻が長年同じ組成であることが判明した今、火星の過去を推測することができるようになりました。
火星は、性質の異なる2つの惑星の衝突によって生まれた可能性があります。
そして、2つの惑星は外から見ると、まるで1つの惑星になって混ざり合ったかのように見えていました。
しかし、実際に火星の内部を見てみると、元々2つだった惑星が完全に混ざり合ってるとは言えないようです。
しかも、“衝突してから長時間経過しているにもかかわらず”です。
少なくとも2つのマントルがあることが推測されますが、今後出現するかもしれない新たな隕石の分析や惑星の観察結果によっては、3つ以上のマントルが存在する可能性もあるのです。
今まで見えてきた火星の、新しい過去に触れたような研究結果が発表されました。今後もこのような事実によって明らかになる、より完璧な宇宙の真実が楽しみです。
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