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地球の核はドロドロになって溢れていた ~地球で一番熱いところ~

地球の核はドロドロになって溢れていた ~地球で一番熱いところ~ 科学
地球の核はドロドロになって溢れていた ~地球で一番熱いところ~

 

地球に存在する生命を守っている地磁気。この磁気を発生させ、磁場を作り出しているエネルギーの源は、地球の奥深くにある核です。

地球の核は地下2,900kmの深さにあるグーテンベルク不連続面から始まっていて、地表から遠すぎるためになかなか研究が進みません。

それでも、地球の核に可能性を感じて研究を続ける専門家たちも多く、最近の研究成果では、地球の核が25億年も前からずっと溢れ続けていたということが明らかになりました。

 

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核とは

地球の最深部にあり、地球の中で最も温度の高い部分が核です。核は液体の外核と固体の内核に分かれていて、その中心の温度はなんと6,000ケルビン、換算で5,700℃にもなります。

これは太陽の表面とほとんど同じ温度です。核よりも、地表に近いところにあるマントルも核の熱を受けて温められていて、火山のエネルギーの約半分は、核の熱が供給しているといわれています。

マントルで起こるプルームという対流現象が、核の熱を火山に運ぶパイプラインの働きをしていて、火山の噴火は地球内部の熱を外に逃がす冷却装置の役割をしています。

そのプルームによって運ばれているものが本当に熱だけなのか?物質の移動は起こっていないのか?という疑問が長年、研究のテーマになっていました。

核が溢れている

その疑問に対して、今回の研究で新たに分かったことがあります。それは、核を構成する物質の一部が核から溢れ出し、マントルの最深部に到達しているということです。

このことを裏付けるデータとなったのは、タングステンの同位体存在比がわずかに変化しているという点でした。マントルの深いところで形成されて地上に上がってきた岩石を調べれば、マントル最深部の構成物質がわかります。

研究チームは、そこに核と同じような化学物質が存在しないかどうか調べたのです。核に含まれる元素は、主に鉄とニッケルが有名ですが、タングステンなどの金属もわずかに含まれています。

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核の物質とマントルの物質

タングステンには中性子数が108個の同位体と、110個の同位体があります。マントルに含まれているタングステンは、核に含まれているタングステンに比べて、中性子数108個のものの割合が圧倒的に高いことがわかっています。

つまりタングステンの同位体存在比を調べれば、そのタングステンが核から来たものなのか、マントルから来たものなのか判別できるというわけです。

また、ハフニウムというレアメタルは核を形成する合金には含まれていませんが、マントルにはかなりの割合で含まれています。

ハフニウムの存在も、その物質が核由来のものなのかマントル由来のものなのかを区別する上で、重要な手がかりになってくるでしょう。

しかし、この理論をもとに実際の調査を行うのはかなり難しいことです。岩石中にタングステンは、一億分の一程度しか含まれていない上に、その同位体存在比は百万分の一という精度で測定しなければ違いが見えてこないのです。

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研究の結果

今回の研究でさまざまなサンプルを分析した結果、岩石の発生年代によって、タングステンの同位体存在比は大きく変化していることがわかりました。

地球上で最古の岩石に含まれる、中性子数108個のタングステン同位体の割合は現在の岩石と比べると圧倒的に高く、その割合は新しい岩石になるほど下がっていくのです。

このことから、時代を経て徐々に核のタングステンが、マントルに流入しているということがわかります。また、更に細かく年代を分けて調べてみると、面白いことがわかりました。

27億年前までに作られた岩石には、同位体存在比の違いがほとんど見られませんでした。つまり、この期間には、核からマントルへの物質移動は起こっていなかったことになります。

そして、26億年前から現在にかけて同位体存在比の変化が起こっていることがわかりました。おそらく、太古代末までに起こったプレート運動によってマントルのプルームが発生し、核とマントル間の物質移動が始まったのではないかと推測できます。

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物質移動が起こる理由

マントルのプルームは対流運動なので、核とマントルの間で物質移動が起こるのと同様に、地表とマントルの間でも物質移動が起こっています。

地表の物質には酸素が多く含まれているので、それがマントル内部に侵入すると、マントルの酸素濃度が上昇します。

この状況をシミュレートした結果、マントルの酸素濃度が高くなると核のタングステンが核を離れてマントルに引き込まれることが観察できました。

それとは別に、内核が固まることによって、酸素濃度が上昇することもあるようです。

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地磁気の起源

内核が固まることで酸素濃度が上昇し、核とマントルの間で物質移動が始まったということになれば、それは地球の磁気がいつ形成されたのかという疑問を解消する手がかりになるかもしれません。

現在の内核は固体ですが、できた当初は液体でした。それが冷やされて凝固し、回転することで磁気が生まれたといわれています。

内核の凝固と同時に物質移動が始まったということが確かになれば、いつ内核が冷え固まったのか、地球はいつ、どのように磁場を持ったのかということが、岩石の成分を分析するだけでわかるようになるのです。

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マントルで地震波が遅くなる

マントルに関する面白い研究をもうひとつご紹介しましょう。地震波がマントルの一部を通過するときに、通過速度が最大で50%も遅くなるという話を聞いたことがある人は多いかと思います。

地震波に限らず、波は物質を通過する時、その物質が硬いほど速く、やわらかいほど遅く伝わります。地震波が遅くなるということは、マントルの中にゼリーのようなやわらかい物質の塊があるということです。

この物質の塊は、正式には「地震波超低速度層」といいます。マントルの大部分とこの層には、一体どのような違いがあるのでしょうか?

今回の研究では、この層はフェロペリクレースの含有量が多いためにゼリー状になっているのではないかという可能性が示されました。

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マントルの再現実験

地表から2,900kmの深さまで続くマントルのうち、低速度層の幅や厚さは100kmもありません。これだけ小さいと、実際に見つけ出して調査するということは明らかに不可能です。

そこで、カリフォルニア工科大学で、マントルの環境を再現した実験が行われました。

低速度層の構成物質がフェロペリクレースなのかどうか調べるために、フェロペリクレースにマントル内部と同等の圧力をかけて、それが低速度層のような特徴を示すかどうか実験しました。

また、地震波の代わりにX線が用いられました。その結果、X線を照射する角度によって、最大で60%も波の通過速度が遅くなったのです。

この実験から、実際のマントルの低速度層にもフェロペリクレースが含まれていて、角度によって物理的性質が変化するという特徴があるのだと考察できます。

いかがでしたか?
地表にある岩石から、地球内部の物質や地球の歴史が読み取れるという、壮大なスケールの研究をご紹介しました。46億年の地球の歴史のなかで、人類が存在しているのはたった20万年間だけ、言ってしまえば人類は生まれたばかりの新参者なのです。そんな人類の文明が、自分たちがまだ生まれる前の地球の謎を解き明かしていくというのは、とても夢のある話だと思いませんか?これからの研究に期待しましょう。
参考 : sciencealert.com, など
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