「ミステリーサークル」という言葉を知っていますか?
「ミステリー」というので、何となく摩訶不思議な、謎めいた印象がありますが、この呼び方は日本独自のもので、英語では「クロップ・サークル」という呼び方が一般的です。
この「ミステリーサークル」は、田畑などの一部が円形、すなわちサークルの形に倒される現象のことで、この円が複数組み合わさった形状やさらに複雑な模様を描いた形状のものもあり、謎の現象として注目されています。
今回は、謎に満ちた「ミステリーサークル」の真実に迫ってみたいと思います。
「ミステリーサークル」に込められたメッセージ
「ミステリーサークル」の研究者バート・ジャンセン氏は、その謎めいたデザインが、宇宙における地球人の立場を理解させるための「サブリミナル・メッセージ」だと考えているようです。
彼は、数多くの「ミステリーサークル」を見ることで、そこに関連性があると言います。
些末な点にとらわれず、高く広い視点で全体を見渡すと、個々の「ミステリーサークル」は独立しておらず、相互に関連性があり、さらに唯一無二のメッセージ、あるいはシグナルが見えてくるそうです。
「ミステリーサークル」付近で目撃された光の玉
1990年7月26日午後4時ごろに、イングランド南東部の丘陵地ダウンズにある「ミステリーサークル」付近で、光の玉が飛んでいるのを目撃、撮影したカメラマンのスティーブ・アレキサンダー氏はそれ以来、物を見る際に先入観を排除しているそうです。
「ミステリーサークル」についても、人為的なものだと思う方が簡単である一方、人間が作ったものではなく、私たちの理解の範囲を超えたものだと考えると、より難しいと言っています。
「ミステリーサークル」を生み出した魔女裁判
「ミステリーサークル」が注目を集めたのは1980年代ですが、初めて「ミステリーサークル」と思しきものが登場したのは、1519年のフランス、ロレーヌで魔女裁判が行われていた時まで遡ります。
その後「ミステリーサークル」は「サボ」という木靴を履いた貧しい農民が、作物を踏みつけるという「抗議行動の形」として見られるようになりました。
この抗議行動は、教会や貴族が貧しい農民から搾取して贅沢に暮らしていたり、支配階級の勝手な都合によって「魔術を使った」という言い掛かりをつけられて咎められたりしたことに対して起こっていたようです。
教会による「魔女迫害」も含めた現実の出来事が原因で、おとぎ話や民話に「ミステリーサークル」が登場するようになったのでしょう。
悪魔が作った「ミステリーサークル」
実際、1678年にイギリスで出版された木版画の冊子に「草刈デビル」という話があり、悪魔が鎌を使って麦を円形に刈り取っている挿絵が「ミステリーサークル」に似ています。
この話は、麦を収穫して裕福な地主に賃金の支払いを要求した貧しい農民に対して、地主が賃金の支払いを拒否した挙げ句、悪魔に麦を刈り取らせて賃金を支払うほうがましだと言ったところ、その夜、畑が不気味に光り、朝になると畑のすべての作物が隣に重なる形に倒れていて、人間が作ったとは思えないものだったという内容でした。
「妖精の輪」と「ミステリーサークル」
「ミステリーサークル」の話には、アイルランドのおとぎ話に登場する「妖精の輪」を引用したグリム童話もあります。
森の中で、円形のものが地面に並んでいるのを発見すると、それらは妖精がダンスをするために草を倒して作った円だと考えられていました。
また、この円は「魔女の輪」または「妖精の輪」と呼ばれ、異次元につながる入り口と考えられることもありました。
こうした逸話は世界中にあって、地域によって円の解釈は祝福だったり呪いだったり異なっているようです。
現在では、この「妖精の輪」と呼ばれる円が「菌輪」という地面にキノコが環状に発生する現象と知られ「ミステリーサークル」の形態は、地球の生物活動の一つだと考えられています。
私たちを魅了する「ミステリーサークル」
一方で、精密で複雑な「ミステリーサークル」は、地球の自然が作り出したものではなく、地球外生命体が作った、あるいは人間が悪ふざけで作ったと信じる人もいます。
それでも「ミステリーサークル」は私たちを魅了します。「ミステリーサークル」は、新しいエネルギーやテクノロジーなどの分野でパラダイムシフトをもたらし、そこにあるメッセージが私たちの社会を変革するといった希望すら抱かせます。
もし「ミステリーサークル」が内包するメッセージを、私たちが柔軟に受け入れ、大局的に見ることができれば、真の起源の如何に関わらず、私たち人類に何かを想起させる助言と言えるのかもしれません。
スイス人が描いた地上絵の「ミステリーサークル」
スイス人の男性ウェルナー・ジャイスリ氏が、2008年にアルゼンチンのカチという村を訪れて地上絵を描き始め、2012年に完成させると突然、行方不明になったそうです。
その絵は幅が48メートルもあり、中央には角が12個ある星が描かれ、その星の周りにも星が複数描かれていました。
彼は「この地上絵を描いたら、私たちはそこを訪れる」というお告げをテレパシーで受け取ったと言い、彼が描いた地上絵の「ミステリーサークル」は、UFOの発着場ということになります。
近年、アルゼンチンでのUFO目撃情報が増加傾向にあると言われているので、もしかするとこの地上絵が関係しているのかもしれません。
失踪したスイス人の男性
地元の住民は「ミステリーサークル」の完成直後に彼の失踪に気付いたそうで、宇宙人に誘拐されたのかもしれないと心配しているそうです。
一方で、彼がボリビアでも同じように地上絵を描いているらしいという話や、すでにスイスに戻ったのではないかという話があり、真相は不明のままです。
ただ、彼は行方不明になる前にアルゼンチンの新聞の取材に対してテレパシーでメッセージを受け取ったのは2008年11月4日であること、その日は隣人と深夜パーティをしている最中に家が停電し、直後に2つの閃光を目撃したことなどを話していました。
さらにその光に対して、彼が心の中で「近づいてきてくれ」と唱えると本当に近づいてきたこと、そのUFOが照射した光を浴びた瞬間、脳内に「発着場を作れ」というメッセージだけを受け取ったことなどを話していました。
UFO目撃情報が地上絵の「ミステリーサークル」周辺で多発
彼がカチの村に描いた地上絵の「ミステリーサークル」周辺は、アルゼンチンの他の地域と比べてUFOの目撃情報が多く、噂を聞き付けたUFO信仰者たちのホットスポットとなっています。
2018年にはC5Nの早朝ニュースの放映中に、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの上空でUFOが目撃され、ニュースキャスターが困惑している映像も残っています。
2019年5月7日には「黒い輪」がブエノスアイレスの工場にいた作業員の携帯電話のカメラで撮影されたのですが、彼は「黒い輪」を撮影する前からUFOの存在を直感していたそうです。
多くのUFOを引き寄せる地上絵の「ミステリーサークル」を描いたスイス人の男性は、今どこにいるのでしょうか?
発見当初は謎の現象として注目されていた「ミステリーサークル」は、その多くが人為的なものであることが判明しています。しかし、それらの全容が解明されたわけではなく、「ミステリーサークル」は何らかのメッセージを発信している可能性があることも事実です。謎に満ちた「ミステリーサークル」の真実が解明される日が、果たして来るのでしょうか?
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