遠い昔から、宇宙から地球人を密かに監視しているものがあり、それは「ラーカー」と呼ばれています。
アメリカの物理学者ジェームズ・ベンフォード氏が、学術雑誌「ザ・アストロノミカル・ジャーナル」に投稿した論文で、ラーカーについて言及しているのです。
ラーカーが存在するという説は、地球外知的生命体を探索している地球外知的生命体探査コミュニティで浸透している推測に基づいています。今回は、このベンフォード氏らの主張に触れていきたいと思います。
探査機「ブレイスウェル・プローブ」は通信機器になる?
1960年の事です。スタンフォード大学の電波物理学者、ロナルド・ブレイスウェル氏は、『高度な銀河コミュニティ』があるのなら、宇宙に存在する生命体を観察しているだろう」と推測しました。
そのコミュニティにいる者たちは、自動で作動する探査機を宇宙にばら撒き、これらを通じてあらゆる生命を観察し、またコミュニケーションを図る事も可能だろうというのです。
この説について、ベンフォード氏は「近くに設置された探査機を発見できる程、我々のテクノロジーが発達すれば、観察者である生命とコンタクトが取れるようになるだろう」と論文で述べました。
この探査機は「ブレイスウェル・プローブ」と呼ばれており、現時点でそれが存在するという証拠は見つかっていません。
ラーカーにとって監視に適した場所
ベンフォード氏は、我々をこっそり観察するブレイスウェル・プローブ、すなわちラーカーを設置する太陽系内の理想的な場所について言及しています。
彼は「極秘かつ長期的に、自動的に稼働するラーカーを設置するなら、地球近傍(きんぼう)天体のうち『共有軌道天体』と呼ばれるものが適している」といいます。
共有軌道天体は、太陽の周囲を、地球と同じような軌道で公転する天体です。一方で重力によって地球とも結びついており、太陽の周りを回りつつも地球付近に留まっています。
実際発見された共有軌道天体はあまり多くありませんが、地球に最も近いものとしては、NASAが”地球の相棒”と呼ぶ小惑星「2016 HO3」が知られています。
2016 HO3は、2016年に発見された小惑星で、地球の準衛星の1つです。こうした共有軌道天体についてベンフォード氏は「常に地球と同じような軌道にあるので、地球を監視するには適したポイントだ」と主張します。
地球近傍天体ならば、安定した場所でこっそり地球を監視できるので、天体から我々の世界を眺めるには理想的な場所でしょう。
こうした点からベンフォード氏は「地球外知的生命体探査のコミュニティは、共有軌道天体を優先的に調査するべきではないか?」と提案しています。
地球外知的生命体がいなくても興味深い発見がある?
異星人の監視機器の件を差し引いても、謎に満ちた共有軌道天体を調査する事は有意義だといえます。ベンフォード氏には実のところ、ただこの天体を調べたいという意志があるのでしょう。
ちなみに、中国は既に2016 HO3からサンプルを回収するという、野心的な計画を発表しています。これは2016 HO3を深く知る貴重な機会となるでしょう。
そこで地球人を監視する機器が発見される可能性は非常に低いですが、他に興味深い発見があるはずです。
監視目的の異星人は定期的に地球を訪れている?
映画会社20世紀フォックスが、1700人のアメリカ人を対象に行った調査によると、半数近くの人が異星人やそれに準ずるものの存在を信じている事がわかりました。
その中のほとんどが「異星人は定期的に、監視目的で地球を訪れている」とも確信しているというのです。更に、そのうちの20%の人は「異星人が地球人を誘拐するだろう」と考えている点もわかっています。
この調査では、全体の47%のアメリカ人が異星人の存在を信じており、うち20%の人々が「実際にUFOや異星人を目撃した事がある」と答えた事がわかりました。
「異星人の存在を信じている」という回答者を更に分析した結果、このような事も判明しています。
・39%の人々は「異星人が定期的に地球に来ている」と信じている。
・18%の人々は「異星人が人間をさらっている」と信じている。
・16.74%の人々は異星人やUFOを見た事がある。
・27%の人々は異星人やUFOを見た友人を知っている。
また、「異星人が友好的か、もしくは敵対的か?」という質問に対しては、9%の人が「敵対的」と答え、25%の人が「友好的」と答え、66%の人は「わからない」と答えました。
ちなみにこの調査は、映画「フェニックス・フォゴットン」のプロモーションの一環として実施されたものです。この映画は、1997年に実際起きた、アリゾナ州上空に謎の光が現れたという事件が元になっています。
異星人は既に地球にいる?
アメリカに、スタントン・フリードマン氏という原子核物理学者がいました。
2019年にこの世を去ったフリードマン氏は、アメリカの大手航空会社マクドネル・ダグラスなどで、原子力関連のあらゆるプロジェクトに参加した人物なのです。
そして彼にはUFO研究家という側面もあり、1947年の、ニューメキシコ州ロズウェル付近でUFOが墜落したというロズウェル事件の調査にも携わっていました。
フリードマン氏は「異星人は既に地球に存在しており、何度も宇宙と地球を往復しながら、人類を見張っている」と確信していたのです。
彼はまた「一般人がパニックにならないよう、アメリカ政府が、異星人に関する真実を隠蔽しているのは事実である」とも発言していた事でも知られています。
地球にいる異星人は人類の宇宙進出を阻止しようとしている
「異星人は既に地球を訪れている」と断言するフリードマン氏は、加えて「もし、異星人が自分の存在を我々に示すとすれば、その時は突然やってくる」とも主張しました。
なぜ彼は、ここまで異星人地球存在説に確信を持っていたのでしょう?彼によれば、異星人は「人類の宇宙進出と宇宙侵略を食い止める」という使命があるために、地球を訪れているようです。
彼は「人類の歴史は悪に満ちており、それ故異星人は、我々が宇宙に出ていかぬよう検問を行っているのだろう」と考えていました。
異星人の技術を習得した国が統一世界を作る
フリードマン氏は、各国の政府は異星人の技術を盗む事による「統一世界」を企てていると述べました。異星人の技術を最初に習得した国が、この世界を支配できるというのです。
この世界状況をフリードマン氏は「コズミック・ウォーターゲート状態」と呼びました。多くのカンファレンスなどで発言していた彼ですが、当然異議を唱える人に出会う事もありました。
そうした人に対し反論をするも「証拠を伴う主張が不十分」などの指摘があったようです。
「異星人が地球に紛れ込んでいる」という説もインパクトがありますが、それ以上に気がかりなのは、人類の宇宙進出を拒む彼らが、どのような手段で我々を阻止しようとするかという点です。例えば、いつの日か人類が地球外の惑星に移り住むという状況になれば、異星人は人類に対しどのような措置をとるのでしょうか?
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