火星は、地球に住んでいる人類が注目している「移住の地」です。
星には水や生物の存在の可能性があるため、人間でも住める場所になるのではないかと考えられています。
たとえ実際に移住ができる土地でなくとも、地球の人類の興味関心を大きくひくものには変わりありません。
そこで、人類を火星に送り込んで調査を進めたいと考えて計画は進められているのですが、実は火星への道のりには大変大きな壁がいくつか立ちはだかっているのです。
今回は、それらの壁を乗り越える「革新的な技術」を3つご紹介します。
注目が集まる火星
先ほどご説明したように、火星にはいくつかの理由から注目が集まっています。
宇宙の謎が解明されるにしたがって、火星には大変強い興味が寄せられています。
太陽系惑星の中でも、特に生命体が存在する可能性が高いことから、火星独自の生命体の構造があるのか?
遠く離れた地球と似たような生命体はいるのか?
浮かんでくる疑問は数え切れません。現在はアポロ計画のような化学ロケットが有力視されており、持ちうる技術で調査が進められています。
現時点で十分な調査が進められず、技術として不足している部分があるのは事実です。
そして、地球から火星までの距離は大変長く、火星までの道のりで乗り越えなければならない壁が、大変高く立ちはだかっています。
しかし、今その壁を乗り越えるためにいくつもの革新的な技術が開発されているのです。
それでは、まず1つ目の技術をご紹介します。
1つ目の技術「核熱電気推進」
火星と地球の間は、大変離れています。月に行くよりもかなり長い旅をするというのは、燃料の面で大きな壁となります。
その壁を打ち壊そうとしているのが、核熱電気推進と言われるシステムです。
宇宙船に小型の原子炉を搭載し、そこで液体窒素を加熱することでエネルギーを得るという構造になっています。
現在も使われている化学燃料に加えて、原子力によるエンジンを利用することで、火星への到着が短縮できるというのです。
その短縮できる期間が、日数にして30~60日。
片道9か月かかる火星への道のりの内の、なんと1~2ヶ月を短縮してくれるのですから、これは画期的な技術と言えるのではないでしょうか?
それだけ宇宙空間の放射線で被ばくする時間が減るわけですから、人類にとっては欠かせない技術の進歩になるでしょう。
2つ目の技術「ソーラー電気推進」
宇宙空間を通るのであれば、太陽の光という資源に目を付けないことはできません。
ソーラーでエネルギーを確保することができれば、宇宙船自体を軽くすることができます。
しかし、これは実際に運用することは難しいのではないかと言われています。
まず、ソーラーが搭載された宇宙船は人を乗せるのではなく、宇宙に行った人のための火星上に物資などを置いておく役割が期待されています。
地球から出発して火星に着くには、ソーラー由来のエネルギーを使うと約2年~2年半はかかるそうです。
かなり時間もかかりますし、運べる物資もそこまで多くないことから、あまり実用的ではないと判断されているようです。
3つ目の技術「電気イオン推進」
イオン推進は新しい方法ではなく、今までにも人工衛星や宇宙探査機の軌道修正のために使われています。
生み出せるエネルギーは比較的小さいですが、時間をかければ意外と使い物になる程度まで引き上げることはできます。
そして、電気プラズマ推進機の研究も進んでおり、「VASIMR」というシステムが注目を集めています。
電気で稼働できるものなので、原子炉を利用して電気供給することが検討されています。
このVASIMRを利用した場合、最速で39日で火星に到達できる計算です。
今回ご紹介した3つの技術は、現段階ではまだ実用的ではありません。しかし、今後の成果によっては、十分に実用化可能です。技術の進歩に伴って、火星に行ける日が近づいていると思うとワクワクしますね。
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