ギザ砂漠にあるピラミッドたちは、建設されて以来 何世紀にもわたって見る人に驚きを与えてきました。
最大の大きさを誇るクフ王のピラミッドは、2万人ほどの労働者が20年間の歳月をかけて完成させたものです。
一般的に、ピラミッドはロープや車輪を使って作られたといわれていますが、その方法だと20年という限られた時間で完成させることは難しく、このような圧倒的な精度の建築は不可能だと考えられます。
数多くの専門家たちが研究を重ねてきましたが、まだはっきりとした建設方法は分かっていません。
現代の技術で当時の状況を再現してみても、縮小スケールのピラミッドですら完成させることができないのです。
大ピラミッドは世界七不思議のなかで唯一現存するもので、エジプト文明よりも古くに栄えていた超古代文明の遺跡なのではないかという説もあります。
今回ご紹介する事実は、そのような超古代文明の存在を解き明かす手がかりになるかもしれません。
圧倒的な大きさ
「超古代文明」というのは、世界四大文明よりも前に存在したとされる極めて高度な文明のことです。
このような文明は、現代の私たちよりも高度な技術や未知の技術を持っていたと考えられています。
ピラミッドの圧倒的な大きさも、超古代文明が持つ未知なる技術を利用して建築が行われたのではないかという説を支持する有力な根拠のひとつです。
クフ王のピラミッドは世界最大の建築物で、数トンから十数トンと推測される巨大な石を200万個以上積み重ねて作られたといわれています。
この石は、近隣の採石場から調達したものと考えられていますが、どうやってこれらの石を運んだのでしょうか?
一般的な定説では丸太を並べてローラーを作り、その上を押して転がしたということになっていますが、これはあまり現実的ではありません。
砂漠でそこまで大量に木材を用意できるとは考えにくい上、木材が数トンの石の荷重に耐えられるかは疑問です。
本当に20年でこのクフ王のピラミッドが作られたのだとすると、1つのブロックを2分少々で積み上げなければならない計算になります。人間が原始的な方法で建設したとは到底考えられないスピードです。
複雑な内部構造
石灰石を切り出して作られたピラミッド内部は、未だ発見されていない通路が無数に隠されているといわれています。
何千年も眠っていた隠し部屋が最近になって発見されたという事例もあります。
近年考古学者のブライアン=フェルスター氏が、ピラミッド内部からアスワン花崗岩を切り出して作られたと考えられる20個の箱を発見したというニュースが世間を騒がせました。
100トンを超える重さの非常に精巧な作りの箱で、牛の埋葬に使われたという見解もあります。
しかしながら、その肝心の牛そのものは見つかっていません。
では、この箱はいったい誰がなんのために作ったというのでしょうか?
花崗岩をここまでの精度で削り出すことがエジプト文明の技術で可能だったとは思えません。
超古代文明がなんらかのエネルギーの貯蔵のために使用したという説の方が牛の埋葬というよりは説得力があるかもしれません。
規則的な並び方
ピラミッドは四角錐の形状をしていますが、4つの側面の三角形はピッタリと東西南北の方向を向いています。
実際には、クフ王のピラミッドがほぼ完璧に東西南北に合わせて作られていて、他のピラミッドはそれを基準にして作られているようです。
方向を合わせる精度は極めて高く、実際の東西南北の方向とピラミッドの面はわずか0.15°のずれしかありません。これはグリニッジ子午線よりも正確なのです。
しかし、どうやってここまで正確な建築をしたのかはわかっていません。
北極星の位置を手がかりにした、というわけではないそうです。
そうなると、複雑な理論に基づいて太陽の位置から方角を計算するような方法が考えられます。
しかし、この方法は太陽の位置がはっきりと観測できるようになる夏至や冬至しか使えません。
また、エジプト人がこのような計算を利用したという記録も残っていません。
謎の建築材料
ピラミッドの建築に使われているモルタルを解析したところ、その化学的な組成は判明しましたが、現代の技術でもそれを再現することはできません。
モルタルは、主にセメントを加工したものから作られていますが、エジプトのピラミッドで使われているようすを見ると、現代のものとは少し異なるようです。
古代エジプトのピラミッド建設の現場においては、巨大な石のブロックを設置したときに、それを接合する補強材料としてモルタルが使われていました。
驚くべきことにその強度は石ブロックよりも強く、建設から数千年の月日が経過した現在でも朽ちることなく残っているのです。
シャフトの謎
ギザ砂漠の三大ピラミッドのうち、クフ王のピラミッドのみにシャフトと呼ばれる通気口があります。
シャフトは王の間と王女の間に備え付けられていて、室内の湿度を管理するためのものだと考えられています。
このシャフトは星の配置に合わせて角度が決められているようですが、一体どのような方法を使ってここまで正確に角度を合わせることができたのでしょうか?
また、わざわざ手間をかけて角度を調整する必要はあったのでしょうか?
このような高精度なシャフトを制作できるような技術がエジプト文明にあったという記録はなく、通気口であるのにも関わらず、ほとんどピラミッド外部と繋がっていないという点も疑問です。
謎の出入り口
ピラミッドにはかつて、スイベルと呼ばれる回転機構を備えた、巨大な扉がありました。
この扉は壁にピッタリとはめ込まれていたため、外から見ただけでは普通の壁との区別がつきません。
この扉が発見されたのはクフ王のピラミッドの調査が初めて実施されたときのことです。
この扉は立て付けがあまりに完璧だったため、20トンもの重さがあったにも関わらず、なんと内側からなら片手で開けることができたのです。
どうやってここまで高い精度で壁を切り出し、完璧な立て付けの扉を完成させたのでしょうか。
その方法は未だ不明です。
クフ王の棺
クフ王のピラミッド、通称大ピラミッドはその名の通りクフ王が建設したものと考えられきましたが、サルコファガスと呼ばれる石棺が発見されるといくつかの不可解な点が浮上してきました。
まず、クフ王の石棺は推定で約4トンもの重さがあり、その寸法を考えると外からピラミッド内部に運び込むことは不可能です。そうなると、あらかじめ石棺を設置しておいてから建設を開始したということになります。
また、この石棺は花崗岩をくり抜いて作られて、ドリルを使って開けられたような均一な穴もあります。
果たして、古代エジプトの技術で花崗岩をくり抜いたり、穴を開けたりということが可能なのでしょうか?
真相は謎のままです。
ピラミッドは観光地としても有名ですが、詳しく調べてみると奥が深いものです。世界七大不思議のひとつにも数えられ、未だ解明できていない謎も多く残されているため、非常に神秘的で思わず惹きつけられてしまいます。ピラミッドは、この先の未来で、新しい発見の手がかりとなることは間違いないでしょう。また、ピラミッドが超古代文明の存在を解き明かす手がかりになったら面白いですね。これからの研究に期待しましょう。
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