宇宙を語る上で切り離せない天の川銀河、ブラックホール。
多くの謎に包まれているこの二つの物体の特徴やその謎に迫りたいと思います。
既に分かっていることに関しては数字などを交えながら、まだ分かっていないことに関しては科学的な根拠を元にしてお話をしていきます。
この二つの重要なワードを覗いていきましょう。
天の川銀河ってそもそも何?
夜空をふと見上げると、一面に綺麗な星空が目に入ってきた、なんて経験はありませんか?
光が少ない田舎にお住いの方はこういった経験を数多くされているかと思います。
中でも数多の星が集まってできたものが天の川です。
天の川は天の川銀河の一部であり、私たちが暮らしている地球も実は天の川銀河に属しています。
我々人類は地球全体でも十分広いと感じてしまいますが、天の川銀河のスケールはそれを遥かに超えるほどのものです。
ちなみに天の川銀河の直径は10万光年。
光の速さでも10万年もかかるということであり、地球の直径と比較するとおよそ72兆倍になります。
2019年のカナリア天体物理学研究所の発表によると、天の川銀河が誕生したのは約130億年前と言われており、宇宙が誕生したのが約137億年前です。
人類の誕生が約700万年前ですので、いかに遥か昔のことであるかがご理解頂けるかと思います。
天の川銀河の謎
そのスケールの大きさから見るものを魅了し、異次元の世界に繰り出してくれる天の川銀河。
では、こんなに広大な天の川銀河の果ては一体どうなっているのでしょうか?
実は最近の研究で、天の川銀河の果の観測に成功したという事例があります。
この銀河の果てには「ハロー」という名称がつけられており、天の川銀河の中心から約52万光年の距離になります。
でも、先ほど天の川銀河の直径は10万光年と言いました。
矛盾しているように思われますが、実は普段私たちが天の川銀河と呼ぶものは中心から5万光年ほどの範囲の星の密集部分に限定しています。
しかし、銀河には様々な球体が取り囲むように浮かんでいる「ハロー」があり、厳密に言うとここが天の川銀河の果てになります。
このハローを解析してくことで、それぞれの銀河系がどのようにして誕生、形成されていったのかを知ることができるかもしれないと言われていますが、まだまだ分かっていないことも、たくさんあります。
ブラックホールってそもそも何?
さて、次は宇宙の話をするにあたり放っておけないブラックホール。
みなさんにとっては、ブラックホールが巨大で、近くにあるものを何でも吸い込むというイメージがあるかもしれませんが、その実態までを話せる人は少ないのではないでしょうか?
今回はその実態に迫っていきます。そもそもブラックホールとは簡潔に言うと恒星の成れの果てです。
恒星に重力だけが残り、極限まで収縮した結果、無限大の重力をもった集合体ができ、これが俗に言うブラックホールです。
ですのでブラックホールはどこか1地点に1つだけ存在しているというのは間違った解釈です。
ちなみに地球がブラックホールを形成しようと思ったら1.8cmまで収縮しないといけません。
ブラックホールの重力はあらゆるものを引き寄せ、光さえも例外ではありません。
この重力から逃れるのは相当の速さで動くことが必要とされますが、基本的にそれは不可能です。
ブラックホールの真実
誰もが一度は考えたことがあるテーマだと思いますが、ブラックホールに吸い込まれたらどうなると思いますか?
例えば、あなた自身が吸い込まれるとします。
まず、初めに大きな重力がかかり、体全体が細長い紐のように引き延ばされます。
その後はバラバラになると言われています。
バラバラになった物質は一番小さな粒になるまで細かくなり、素粒子の一部として宇宙の形成物質となるでしょう。
次にブラックホールの中はどうなっているのか?です。
まず、前提として中と外では重力の大きさにより時間の進み方が違うと言われています。
外側の近いところでは重力が強いため時間の進み方が遅くなります。
そのため時間が止まっているように見えるのです。
逆にブラックホールの中から外を見ると、ものすごい勢いで時間が流れていくように感じます。
ただ、いずれも試すことはできていないので、科学的な根拠に基づいた想像でしかありません。
今回は天の川銀河、ブラックホールというスケールの大きいお話でした。我々にはそのすべてを理解することは難しそうです。みなさんも是非こういった話題に敏感になってみてはいかがでしょうか?
コメント