昨年から、オーストラリアの沿岸を焼き尽くすほどの森林火災が続いていました。
「森林火災なんて自然現象だし、避けようがないんだろう?」と思われているかもしれません。
オーストラリアの森林火災は、そうも言い切れない問題を抱えているようです。
オーストラリアの森林火災の実態
オーストラリアでは、2019年9月から2020年1月にかけた5ヶ月間、森林火災が拡大し続けました。
延焼面積は約103,000平方キロメートル、なんと この面積は日本の国土の3分の1に相当します。
死者はわかっているだけで33名。森林火災としてはまれに見る大惨事となりました。
オーストラリアと言えば、固有の動物であるコアラ、カンガルーが有名です。
これらの動物にとって、森林は切っても切り離せない生活空間です。
コアラに至っては、森林を構成している樹木の上で生活しているわけで、森林火災は死に直結してしまいます。
8000頭ものコアラが犠牲になりました。
森林火災で被害を受けた動物救援活動を支援するために、石鹸販売で有名な「ラッシュ」では、コアラ型ソープを販売するチャリティーイベントを開催しました。
2月に入ると、今度は豪雨被害に悩まされているようです。
現在は豪雨のおかげで、森林火災の方は沈静化に向かっています。
出火の原因は「放火」か?
過去の火災においても、落雷や樹木同士の摩擦による「自然的発火」は15%で、残りの85%が放火を含む人為的要因によるものという統計が出ています。
今回の森林火災に際しては、放火の容疑でなんと200名近くの逮捕者が出ています。
「火をつけたとしても、そこまで燃え広がるものなのか?」という疑問が出ると思います。
ここまで燃え広がってしまう原因は、燃えているのがコアラの主食となっている「ユーカリ」の木だからです。
ユーカリには「テルペン」という揮発性の高い引火性物質が含まれています。
火災の高温によって、ユーカリからテルペンが揮発し、周辺に充満したテルペンに次々と引火していくのです。
「ダイポールモード現象」から「温暖化」につなげるNHK
今回の森林火災を調べたときに、必ず出てくる気象現象が「ダイポールモード現象」です。
「ダイポールモード現象」とは、インド洋において、西側の温度が高く東側の温度が下がることで、インド洋上空に西高東低の気圧配置が顕著になることを指します。
結果、インド洋に面した最東端のオーストラリアにおいて、高温と乾燥をもたらす、とされています。
「ダイポールモード現象」についてNHKの「クローズアップ現代」では、海洋研究開発機構アプリケーションラボの土井威志博士によって、下記のような解説が為されました。
「普通なら11月の終わりぐらいから消え始めるんですけども(1月初旬でも)まだ消えきっていない。」
(引用:NHK クローズアップ現代「“地中が燃える”豪森林火災の脅威~異常気象のリスク~」)
なるほど。今年に入ってもまだこの現象が続いているから、例年以上に火災が長引いた、ということはわかりました。
しかしこの後、同博士の口から突如『あのワード』が出現しました。
「一説によると『温暖化』が進行することによってインド洋ダイポールモード現象が甚大化する、あるいは頻発化する、というようなことが言われています。」
(引用:NHK クローズアップ現代「“地中が燃える”豪森林火災の脅威~異常気象のリスク~」)
NHKはどうしても、温暖化を非難したいようです。
現在地球が温暖化している傾向が、我々人類を含む地球の生命にとっていいことか悪いことかは、世界の学者の間でも意見がわかれています。
「公正中立」をうたっているNHKにおいて「温暖化は悪」という偏った見識を押し出すことには、非常に疑問を感じます。
検索ワードによって異なる記事の傾向
調べてみて、面白い傾向を発見しました。
「オーストラリア 森林火災」で検索すると、NHKを初めとする「温暖化」理論の記事が上位表示されます。
しかし「オーストラリア 森林火災 原因」で検索すると「人為的な要因」である記事が上位表示されます。
つまり「オーストラリア 森林火災」と2語の少ないキーワードだと、どうしてもNHKのような大手サイトが上位表示されてしまいます。
キーワードは短い方が検索されやすく、結果強いサイト、知名度のあるメディアのイデオロギーが、世間に周知されてしまう傾向があります。
大手メディアのウソかホントかわからないイデオロギーは、まるで森林火災のように広がってしまうことには、今後より注意が必要です。
森林火災はずっと、オーストラリアに住む人や動物を悩ませてきました。原因が年々、自然現象から人為的に推移していったという事実は、とてもショッキングです。今回のような大惨事となる森林火災もあれば、豪雨もあります。つまり「相反する自然の摂理」によって、どちらも永遠に続くことはありません。ましてや「温暖化」という、人類によって数年前から提唱され出した理論は、自然災害の前では無意味なのです。「オーストラリアでの放火や火の不始末は、国土を焼き尽くすかもしれない」という教訓となってしまいました。
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