「ワームホール」とは?
ワームホール というのは、ある一点と 別のもう一点をつなぐトンネルのようなものです。
現代の技術では、日本から日本の裏側にあるブラジルに行くには、飛行機が必要です。
ですが、もし地球に穴を掘ってトンネルのようにくぐれるとしたら、距離も時間も格段に短縮できると考えられます。
つまり、「ワームホール」は この例での地球にあけたトンネルのようなもので、ある場所とある場所を短距離で繋いでいる場所のことです。
地球にあけたトンネルと違う点は、「ワームホール」では 過去や未来といった時間旅行もすることができます。
ワームホールの存在の可能性
ワームホール の実在については、世界中の物理学研究者たちが長年議論し続けていますが、いまだに決着はついていません。
理論上は存在してもおかしくはないのですが、実際に観測されたことはないのです。
一方で、存在すると仮定した場合の「ワームホール」の見つけ方に関する論文は発表されています。
「ワームホール」の存在条件の1つに、時間を歪めてしまう程の 極端な重力が挙げられます。
「ワームホール」は光も吸い込んでしまう「ブラックホール」なんでも吐き出してしまう「ホワイトホール」と密接に関係していることがわかっています。
「ブラックホール」と「ホワイトホール」は「ワームホール」を通じてつながっているのです。
そして、恒星の軌道をチェックすることによって「ワームホール」の存在を確認することが可能だとしています。
しかし、実際には「ホワイトホール」自体の存在も 疑問視する人も少なくありません。
あくまで、理論上では存在できる、というものです。
「ワームホール」を現代では利用できない?
「ブラックホール」はここ最近の研究によってX線画像により、存在の可能性は高まってはいますが、肝心の「ホワイトホール」の存在自体はいまだに確認されていません。
仮に、「ホワイトホール」も存在したとしても、SF作品のように人間が「ワームホール」を宇宙船で通過できる可能性は低く、宇宙船で「ワームホール」を通過できても帰ることができなくなります。
その理由は、「ワームホール」を維持するためには、特別な負のエネルギーが必要だからです。
私たちの現代の技術では、その負のエネルギーを作り出すことも、自由に使うこともできません。
そのため、安定した「ワームホール」を作ることは、現時点では不可能に近いとされています。
SF作品とは全く違う
「私はワームホールを見つけて、タイムトラベルするぞ」と意気込んでいる方もいらっしゃるかもしれませんが、残念なお知らせをしなければなりません。
実は「ワームホール」を通ってタイムトラベルをしようとしても、SF作品のように人間が原型を維持しながら移動するという事は 不可能だと考えられています。
仮に「ブラックホール」と「ホワイトホール」の間に「ワームホール」が存在できたとしましょう。
まず、宇宙船で「ブラックホール」に入っていくと、蟻地獄のように「ブラックホール」にみるみる吸い込まれていきます。
「ブラックホール」が砂時計の上の部分、「ワームホール」が砂時計のつなぎ目の部分、「ホワイトホール」が砂時計の下の部分とよく似た形状だと思っていただくと わかりやすいのですが、宇宙船は「ワームホール」に近づくにつれて、パスタのようにどんどん細長くなっていくと思われます。
そして、「ワームホール」を通じて「ホワイトホール」に出る時には 宇宙船はパスタのままで出てしまうわけですから、人間自体もパスタのような状態で出てしまうのではないかと考えられます。
「ワームホール」が存在するかどうか、とても夢がありますよね。机の引き出しを開ければどこにでも…というのは難しいかもしれませんが、いつの日か「ワームホール」を人間が利用できるようになればいいですね。
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