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ソレイマニ司令官という人物について ~事件がもたらす今後の情勢~

ソレイマニ司令官という人物について ~事件がもたらす今後の情勢~ 危機
ソレイマニ司令官という人物について ~事件がもたらす今後の情勢~
米国防総省は現地時間の1月2日夜に、中東において最も影響力のあるイランの軍人を暗殺したと公表しました。
殺害されたのはイランのカセム・ソレイマニ司令官で、この事件はアメリカとイラン双方が相手に抱く敵意を一気に昂らせ、アメリカがイランに躊躇なく軍事行動を取ることを示唆しただけでなく、イランの報復行動もほぼ確実に実行されることになります。
果たして、イラン最高司令官と言われたソレイマニ司令官とは、どのような人物なのでしょうか。
そして、彼の死が中東にどのような変革をもたらすのでしょうか?
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カセム・ソレイマニという人物

暗殺されたカセム・ソレイマニは、イラン革命防衛隊の中でも最強精鋭部隊と称される「コッズ部隊」の司令官でした。

アメリカではテロリストと見做されているソレイマニ司令官ですが、イランの保守派やアメリカおよびその同盟国に対して批判的な人々からは支持を得ている人物でした。

また、この暗殺事件に対して「報復」を誓ったイラン最高指導者のアヤトラ・アリ・ハメネイ師との繋がりは、かなり強いものだったようです。

彼が「重要人物」と言われる理由

15年前に「コッズ部隊」の司令官になったカセム・ソレイマニは、中東でのイランの影響力を拡大し、新たな民兵に武装訓練をさせ、その名を轟かせました。

元米軍司令官で元CIA長官でもあるデビット・ペトラウス氏は「Foreign Policy」のインタビューで、イランからイラク国境、シリア、レバノン南部に至る地域に「シーア派の三日月地帯」を構築する計画立案者としてソレイマニ司令官の名前を挙げ、「彼は600人以上の米軍兵士、連合軍やイラクの多くの仲間、シリアなど他国の人々の命を奪った銃火器や爆発物などの軍需物資を、イラクで提供した重要人物だ」と話しました。

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暗殺作戦実行の詳細

今回の作戦実行について米国防総省は、トランプ大統領の命令であったことを明言する一方で、詳細な作戦内容は明らかにしていません。

複数の米メディアは、作戦は無人機攻撃によって実行されたと報道し、イランの国営メディアは、米軍の攻撃ヘリコプターによって襲撃されたと伝えていますが、いずれにせよバグダッドの国際空港に通じる路上にいた車両2台に対して空から襲撃を行い、このうちの1台にソレイマニ司令官は乗っていたのです。

ただし、外国の軍人を空爆で暗殺する方法はイスラエル軍の常套手段で、米軍では特殊部隊による高精度な作戦実行がほとんどです。

過去には、国際テロ組織アルカイダのウサマ・ビンラディン容疑者や、イスラム過激派組織「イスラム国」の最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者の殺害作戦がありました。

ソレイマニ司令官が標的にされた理由

米国防総省は、米軍がソレイマニ司令官を標的にした理由を、イランによるアメリカへの攻撃を防ぐためだと発表しました。

トランプ大統領も、アメリカの外交官や軍関係者への攻撃計画を企てたのはソレイマニ司令官だと非難していて、その計画実行が暗殺によって阻止された、と話しています。

これらのソレイマニ司令官暗殺を擁護する発言は、イランとの戦争を始めるためにアメリカがイランの要人を標的にしたという批判や、アメリカが中東でのイランの影響力を覆す計画をしているという主張をかわす意図があったようです。

さらに、事件後の1月3日にトランプ大統領はフロリダの別荘で「昨夜の行動は、戦争を止めるためであって、始めるためではない」と話し、イラン人に対する尊敬の念を表した上で「彼らはとても優れていて、素晴らしい伝統を受け継ぎ、無限の可能性を秘めている。

イランの政権を変えたいわけではない」とのコメントを発表しています。

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彼の死が一大事である理由

これまで、アメリカがイランの政府高官、特に大きな影響力を持った軍人を標的にした前例がないため、今回の暗殺事件は、イランに対して大胆な軍事行動を取るというアメリカの意志表示とも考えられます。

そして、これまでに無かった軍事的行動は中東にハレーションを起こし、ワシントンD.C.とテヘランやイラク国家との関係に確実に劇的な影響を及ぼすと予想されます。

アメリカもイランも、バグダッドにおけるイラク政府とISISとの戦いに協力しているため、イラクでは共に大きな存在感を持っています。

専門家の多くは、今回の暗殺事件が両国間の緊張を高め、これまでアメリカが築いてきた反テロ対策の成果を危機に晒すのではないかと懸念しています。

一部の専門家は、この行動をイランへの戦争行為だと話していて、ブルッキングス研究所で国際政策の副ディレクターを務めるスザンヌ・マロニー氏は「主権国家に対する戦争行為としか、説明のしようがない」と断じています。

今後、起こる事象について

イランの最高指導者ハメネイ師は、アメリカの攻撃に対してイランが何らかの報復行動をすると示しています。

1月3日に、ハメネイ師と緊急会議を開催したイランの最高安全保障委員会は、アメリカの攻撃に対する報復措置の決定を下したそうですが、同日に発表された声明は「アメリカは、ソレイマニ司令官に対して行った犯罪的攻撃が、中東における最悪な戦略ミスであったと自覚すべきであり、この責任を簡単に逃れることはできない」と、報復措置の詳細については述べられていませんでした。

イラクや周辺の中東地域の同盟国にいるアメリカの軍関係者が、イランの報復措置の標的になると思われますが、専門家は実際に全面戦争になるような行動をイランが起こさないと見ているようです。

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しかし、ハフポストで国際シニア・ニュースリポーターを務めるニック・ロビンス-アーリー氏は、イランは反乱分子による攻撃や親イラン派兵士や民間兵に頼る可能性があると指摘しています。

こうした戦略について米シンクタンクCentury Foundationのイラン専門家 ディーナ・エスファンディアリー氏は「両国間の軍事力に大きな隔たりがある非対称戦争」だと言い、「イランは、従来のような戦争ではアメリカに勝てないとわかっているので、周辺地域の武装勢力にイラクやレバノン、シリアで問題を起こさせ、徹底した非対称戦争を仕掛けてくる」と話しています。

AP通信によると、シリアやイラクにはイラン政府の代理武装勢力が何万人という規模でいる一方、同地域に駐留している米軍はかなり小さな規模でしかありません。

そうした中、アメリカは約3000人の陸軍兵士を中東地域に送ると発表しましたが、先日クウェートに配備した700人の兵士に追加する形となりました。

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トランプ大統領が見る戦局

4日付の政治専門紙「ザ・ヒル」も、アメリカとイランが戦争をした場合、アメリカ政府が望むような戦争ではなく、ゲリラ戦を中心とした「非対称戦争」になると予想しています。

アメリカは、予測不可能な方法によってアメリカ人を攻撃できる難敵を相手にした戦争状態にあるというのです。

今回の暗殺事件の結果、イランに対する政治的あるいは軍事的な圧力を強め、核合意について再交渉するテーブルに着かせることは不可能となり、これまでのトランプ大統領の外交や安全保障問題に関する言動から判断しても、この戦争を有利には展開できない、と悲観的な結論を示しています。

 

いかがでしたか?
これまで述べてきたような悲惨とも言えるシナリオも多く語られていますが、実際、アメリカとイランが大規模な戦争を引き起こすことはないと考えています。その理由の一つは、両国間の圧倒的な軍事力の差であり、イランにとっては自滅的な戦いになることは間違いありません。一方、アメリカも、戦争となれば自国の兵士や国民に多くの犠牲を強いることになり、11月に大統領選を控えたトランプ大統領にとっては絶対に避けたい選択だと言えます。両国ともに現時点では、戦争を回避する意思が鮮明です。
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