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ナビゲーションシステムの危機? ~高速に移動する北磁極~

ナビゲーションシステムの危機? ~高速に移動する北磁極~ 科学
ナビゲーションシステムの危機? ~高速に移動する北磁極~

 

水に浮かべた磁石のN極が北極の方向を指し示すことは、皆さんもよくご存知かと思います。

しかし、磁石が指し示す先は真北ではないことや、磁力の中心位置が動き続けていることはご存知だったでしょうか。
今回は磁力の中心である北磁極の位置が高速で動いていることについてお話します。

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北磁極の移動

1900年代、北磁極はカナダにありました。およそ100年をかけて北磁極はそこから離れ、シベリアの方向へと向かっています。

元々は1年あたり15kmほどの移動を行っていた北磁極ですが、1990年頃からは1年に50km前後の移動をするようになっています。これだけ動く速度が変わると、どのような影響があるのでしょうか。

地磁気の分布は世界磁気モデルによって示されています。このモデルは漁船やスマートフォンのナビゲーションシステムなどに利用されており、特に北極付近では重要な役割を果たしています。

北磁極の位置が変わってしまうと地磁気の分布が変わるため、モデルの更新を行う必要が生じます。

最近の北磁極の高速な動きのため、5年に一度の更新で済むはずの予定が2年近く前倒して更新することになりました。

実際に更新の一年ほど前の2018年初頭から、アメリカ海洋大気庁やイギリスの地質調査所では、北磁極が動いた影響でナビゲーションシステムに許容範囲を超えるほどの誤差が生じていることを報告しています。

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地球の磁気の発生

なぜこれだけ高速で北磁極が動いているのかについての研究もイギリスのリーズ大学などで行われています。

そもそも地磁気はどこから生まれるのでしょうか。地球の中心にはコアがあり、固体からなる内核と液体の外核に分けられ、どちらも鉄とニッケルにより構成されています。

鉄とニッケルの合金はパーマロイという磁石の影響を受けやすい材料として用いられていることからも、磁気へ干渉しやすそうなイメージが湧きますが、原理としては物理の授業で習うファラデーの法則によるものです。

鉄やニッケルが流動することで、核内に電気が流れ、それにより磁力が生まれます。この液体金属の流れは熱などに影響を受け、複雑に変化しています。

そして、この変化が北磁極の動きに関わっています。今回の高速移動は、カナダの地下の外核でジェット噴流が起きたことにより、その領域の磁気が弱まったことが原因である可能性があります。

北磁極付近では強力な磁場領域が2つあり、一方が弱まったことで、もう一つの強力な磁場領域であるシベリア側に引き寄せられているようです。

しかし、この仮説はまだ議論中であり、はっきりとした結論は出ていないようです。

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ポールシフトの可能性

北磁極の移動はどこまで続いてしまうのでしょうか? アメリカやイギリスの調査所の報告によれば、今後は減速していくと見られています。

しかし、過去には北磁極と南磁極が入れ替わるポールシフトという現象が起きていることもわかっています。

ポールシフトは2000万年の間に11回ほど起きており、最後に起きたのは78万年前となっています。ポールシフトが起きても生物学的に重大な影響はないという説もありますが、この話は地球の磁気の方向がただ逆になるというだけでは終わりません。

ポールシフトの影響で心配するべきなのは、磁気の強さが3割ほどに低下してしまう点です。磁気は宇宙から降り注ぐ高エネルギーの放射線から私達を守る役割もしています。

仮に、磁気がない場合、宇宙線のエネルギーによって地球上の生命は死滅してしまいます。そこまでの磁気の減少が起きなくとも、電力施設や通信施設にも悪影響を及ぼすことは容易に想像できます。

研究者によると、今回のような動きは、地球の歴史上ではそれほどおかしな動きではなく、ポールシフトが起きる予兆であるということはないようです。

また、ポールシフトは起きるとしても数千年かけてゆっくりと起きる現象であるため、過度に心配する必要はなさそうです。

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いかがでしたか?
北磁極の動きに興味を持っていただけたでしょうか?我々の生活からは遠い場所の話ですが、身近なナビゲーションシステムにも活用されています。皆さんも、スマートフォンのナビゲーションを利用するときにでも、北極について思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

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