日本では、長期休みに海外旅行に行く人が多く、あらゆる国の世界遺産を訪れる、ツアーの募集をよく見かけます。
その中でも、一定の人気を保っているのが、アンデス山脈の、ウンバンバ谷にある「マチュピチュ」です。
歴史の教科書にも掲載されている、世界遺産の1つで、世界中から観光客が訪れています。
行ってみるとわかるのですが、結構過酷な場所にあって、「どうしてこんな場所に、大きな建物を?」と感じさせられます。
実は、過酷な環境にあるマチュピチュは、その場所に建てられた理由が、あったと考えられるのです。
まずは、マチュピチュの建っている場所についてご紹介します。
マチュピチュがある場所
アンデス山脈にあるとお伝えしましたが、アンデス山脈は大変大きく長い山脈ですので、多数の国にまたがっています。
その中でも、マチュピチュはペルー内に位置しています。
もっと細かく言うとウンバンバ谷にそって、ウンバンバ川に囲まれている場所に、位置しています。
アンデス山脈は6000mを越える高峰が、なんと20座以上もそびえ立っており、マチュピチュ自体も標高2430mの高地にそびえ立っています。
見に行くにも不便で、そもそも、こんな場所にどうしてマチュピチュを造ったのかも、いささか疑問に感じるような場所です。
実は、この場所を選んだ理由が調査によって明らかになったのです。
理由は、主に2つあると、今回発表された内容では、言われています。
まず1つ目が、マチュピチュを造るための材料、つまり石材が、豊富に存在する場所だったということです。
豊富な石材が理由!?
マチュピチュを構成する建造物の一部は、隙間なく石が積まれて、形を成しています。
石と石の間は、モルタルなども無しに、石の形を上手に組み合わせることで、隙間をつくらないように、設計されているのです。
実は、マチュピチュがある場所は、断層の付近で、数百万年の歳月を経て、石を形に合うように選べるほどの、大量の岩石が生み出されているのです。
このような過酷な場所でありながらも、ここを選んだ理由の1つは、豊富な石材にあると、言えるでしょう。
ちなみに、マチュピチュは3000段もの階段で繋がっており、それらの階段や建造物が、地下断層を反映する形で造られています。
優れた排水機能が理由!?
もう1つの理由は、優れた排水機能です。マチュピチュを構成する建造物は、粉砕された岩石の上に建っているため、雨などが降った際にも、効率よく水がはけます。
このエリアに住んでいた人々も、土地の水はけのよさから、大きな水害に見舞われることなく、生活してこられたと考えられます。
大きな水害があると、その土地の建造物などは破壊されてしまいますが、マチュピチュが建っている場所では、そのような水害もなかったからこそ、何百年経った今も、私たちの目の前に存在してくれているのです。
今ご紹介した2つの理由があって、マチュピチュは今の姿を持っているといえます。
マチュピチュに深く関わっているアンデス文明は、文字を持たない文明だったため、未だに多くの謎をマチュピチュに残したままですが、それらが少しずつ明らかになってきていることが、今回の調査結果でわかります。
今後も技術の発展や時間の経過に伴って、多くの謎が解明されていくことでしょう。
次の調査結果が明らかになる日が、待ち遠しいです。
文明によって生まれたマチュピチュは、一生に一度は見たい作品です。研究結果なども踏まえて、知識を持ったうえで、見てみると、きっとさらに面白く感じられます。ぜひ、勉強してから、旅行を楽しんでください。
参考 : machupicchu.org, など
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