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宇宙よりも古い星の謎 ~最古の星メトシェラ~

宇宙よりも古い星の謎 ~最古の星メトシェラ~ 宇宙
宇宙よりも古い星の謎 ~最古の星メトシェラ~

 

今から約138億年前に発生したビッグバンにより、宇宙は誕生したという「ビッグバン理論」は、宇宙の始まりの説明に最もよく使われます。

しかし、宇宙には約140億年前に誕生したと言われている星があることをご存知でしたでしょうか。これが本当であれば、全ての始まりであるビッグバンよりも前に、星が存在していたことになります。

今回はそんな謎の星「メトシェラ」についてお話ししたいと思います。

 

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メトシェラという名前の理由

宇宙の誕生よりも早く生まれた星、その星の正式名称はHD 140283ですが、NASAは「メトシェラ星」と呼んでいます。この名前は旧約聖書に出てくる人物から取られました。

ノアの方舟で知られるノアの祖父に当たるこの人は、969歳まで生きたと記述されています。この年数は聖書に出てくる人物の寿命の中で最も長いです。それゆえに、宇宙よりも長寿であるHD 140283はメトシェラと呼ばれているのです。

しかし、宇宙よりも先に星が生まれるということはありえるのでしょうか。

想定外の測定結果

最初にメトシェラが発見された時、その年齢は160億歳だと見積もられました。宇宙よりも先に星が生まれるという現象は説明がつかず、多くの天文学者がこの謎に挑戦しました。

そのうちの一人であるペンシルバニア州立大学のハワード・ボンド教授はメトシェラを構成している元素組成に注目しました。星の年齢を見積もる方法の一つに、星の明るさから算出するやり方があります。

星が明るく輝いているのは、内部で核融合が起き、生じたエネルギーが光となって放出されているからであり、この核融合には炭素や酸素といった複数の元素が関与することがあります。

つまり、星を構成している物質の組成は、星の年齢を決定する上で、極めて重要な要素となります。ボンドによる再検証の結果、当初の予想よりも星を構成する酸素の量が多いことがわかりました。

この結果に加え、ハッブル宇宙望遠鏡のファイン・ガイダンス・センサーを用いて、この星と太陽系の位置関係も精査し直した結果、メトシェラの年齢は139年と算出されました。

これにより、酸素量の不確定さに起因するズレが7億年ほどあるため、矛盾を含んでいた最古の星の年齢は宇宙よりもわずかに若い可能性が出てきました。では、これで全ての謎は解決されたのでしょうか。

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宇宙の年齢は正しいのか

メトシェラと宇宙の年齢の矛盾を考えるためには、星側だけでなく宇宙にも注目する必要があります。宇宙の年齢は、学会でも長期間に渡って受け入れられていたため、この年齢が間違っているとは考えられていませんでした。

宇宙の年齢は、ハッブル定数という値を用いて示される宇宙が膨張するスピードから算出されます。

しかし、2019年にドイツや日本などのチームが、ハッブル定数を新たな手法で計算したと、アメリカ科学誌サイエンスにて報告しました。その手法では、遠くの星から届く光が銀河の重力で曲がる「重力レンズ」という現象を利用しています。

その結果、より高精度に提唱されたハッブル定数の新しい値によると、宇宙の膨張するスピードは想定されていたよりも速いことになります。そして、その新しい値を用いて計算すると、宇宙の年齢は今よりも24億年も若い114億年となるのです。

この説が正しい場合、誤差を含めたとしても、メトシェラは宇宙よりも早く生まれたことになってしまうため、星と宇宙の年齢の矛盾は、また振り出しに戻ってしまいます。

この問題点に対し、アストン大学のロバート・マシューズは、ダークエネルギーなどの原理が解明されていない要素が、研究結果に数十億年という巨大な数字のズレを与えている可能性があるとしています。

また他の議論として、科学者の中にはそもそもビッグバンはなかったという説を唱えている人もいます。その場合は、宇宙の誕生をビッグバン理論によって説明することから間違っていることになります。

このように、宇宙の謎は密接に絡み合っており、これら全ての謎を解くには、さらなる宇宙物理学や測定手法の進歩が必要となりそうです。

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いかがでしたか?
現代の科学を持ってしても解き明かすことができない謎の星メトシェラに興味を持っていただけたでしょうか?宇宙物理の分野では日々、新しい仮説が唱えられ、この奥深い謎への挑戦が行われています。皆さんも、まだ誰も知らない宇宙の誕生について想像を巡らせてみてはいかがでしょうか。

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