映画は、世界中の人々にとって、人気の娯楽の1つです。 「E.T.」や「アバター」「プレデター」などは、歴代映画の中でも、特に有名な作品です。
これらの作品に共通するのが地球外生命体であることです。いわゆる「宇宙人」とも呼ばれる彼らは、実際はほとんどの地球人の前に姿を現したことがなく、彼らの姿を見たことのない私たちは、思い思いの宇宙人像を描きます。
「これだけたくさんの映画で、色々な地球外生命体について描かれてはいるけれど、本当に地球外生命体なんて、いるのか・・・?」
長年、私たち人間が、疑問に思っていた地球外生命体の存在に、一歩近づいた研究結果が、2019年10月に発表されました。
地球外生命体がいる可能性が高い場所として、研究対象となっていたのが、土星の衛星「エンケラドゥス」です。
まずは、エンケラドゥスがどのような衛星なのかについてご紹介します。
土星の衛星「エンケラドゥス」
土星には多数の衛星があることが、確認されていますが、その第2衛星がエンケラドゥスです。1789年に発見された衛星で、長年研究の対象であり続けています。
2019年10月に、エンケラドゥスで地球外生命体存在の可能性が発表されましたが、実はこの研究の前にも、エンケラドゥスにおける、地球外生命体に関して調べている研究がありました。2018年6月、エンケラドゥスに有機高分子が、「初めて検出された!」という研究結果が発表されました。
これは、ニュースになるほどの盛り上がりをみせ、それ以来というもの「地球外生命体をさがすのなら、まずはエンケラドゥスだ」という考え方が生まれました。2019年10月、早速、エンケラドゥスに地球外生命体が存在する可能性を示唆する、調査結果が出ました。
2019年10月の研究でわかったこと
「カッシーニ」という、NASAとESAによって開発された、探査機によって、今回の調査結果が得られました。なんと、アミノ酸の構成分子が見つかったのです。
カッシーニには分光計という、光学機器の一種が搭載されており、これにより水蒸気や氷の粒として見つかっていた物質が、窒素・酸素を含んでいる化合物だということがわかりました。
窒素・酸素は、化学反応を起こすことで、アミノ酸になります。このことから、エンケラドゥスでも地球と同じように、アミノ酸が作られ、生物の身体を作るたんぱく質になっているかもしれないのです。
また、既存の研究で、エンケラドゥスの地下海洋の栄養環境に関しても研究されるなど、複数の研究で、生命体が生きていける環境であることがわかっています。よって、既存研究と2019年10月の研究から、地球外生命体が存在するのであれば、特にエンケラドゥスの可能性が高いと言われているのです。
エンケラドゥスには生命体が存在するのか?
今回の研究では、地球と同じようなたんぱく質で生命体が構成されていると仮定して、分析された結果の報告がされています。エンケラドゥスの環境に関する研究結果を参考にすると、地球に似た生命体は、エンケラドゥスに存在する可能性が高いでしょう。
しかし、地球外生命体は、たんぱく質がなくても生きていけるかもしれませんし、水だって必要ないかもしれません。現時点では、地球と同じような生命体を想定して研究が進められていますが、これからは他の星も含めて、幅広い視点で研究が進められることでしょう。
地球が侵略されるのは困りますが、地球の他でも生命体が生息できる環境があるとするならば、とても興味深いです。アミノ酸構成物質以外の、生命体存在の可否がわかる証拠が見つかる日が、楽しみですね。
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